前回に続き、今回も良かった。レントンとエウレカの再会をどう演出するのかと思っていたが、予想以上。
レントンを追ってゲッコー号を抜け出すエウレカ。いままで「自分のため」に暴走することはあっても、エウレカが誰かのためにこういう暴走をしたのは初めて。会えるか会えないかもわからないのに、「ひょっとしたら会えるかも」と思って出かけてしまうってのはまさに恋と言えるかも。
対してレントンがあまりにもあっさりとゲッコー号に戻ってきたのはちょっと拍子抜けだったが、そこからエウレカを助けに行くという流れを考えれば必然か。戻ってきたレントンに「何しに戻ってきた」と相変わらず子供じみた態度で接するホランド。それに対して「戻ってきたんじゃない、エウレカに会いにきたんだ」と毅然と答えるレントン。ずっとゲッコー号の中で燻り、エウレカにまで見捨てられてますますダメ男になったホランドに対し、多くの出会いを経て強くしっかりと成長を遂げたレントンが対照的で心地よい。それまでのグダグダはレントン成長を演出するための布石と納得できる。
一方、エウレカを発見するビームス夫妻。レイとエウレカとの間にも何か一悶着ありそう。レイがお腹を抑えながら「私のために」みたいなことを言っていたのは、子供ができたことの示唆か、それとも以前に子供を失ったことの示唆か。
そしていよいよレントンとエウレカの再会。落下するエウレカ、それを追うチャールズ。「ああ、ここでレントンが来るぞ!」と思わせながらジリジリじらす。そして予想通り。通り過ぎる白い影。なんで展開は予想がついてるのに、見ていてこんなにゾクゾクするんだろう。チャールズの追跡から逃げながらのエウレカの回収。これは第2話のレントンの落下→エウレカが回収、と対になってる。お互いに手を伸ばすレントンとエウレカ。一度離れそうになるも、エウレカの方がさらに手を伸ばし、レントンを掴む。ちょっとした動きだけで、エウレカが積極的に変わったことやレントンへの想いを表現している。ウマいなあ。
エウレカを無事回収し、ニルバーシュの中で抱きしめあう二人。これも第2話でレントンが助けられたシーンの対になっているのだろう。そのときは鼻水垂らしながらダメダメ男だったレントンが、凛々しい顔つきでしっかりとエウレカを抱きとめている。カッコエエ。
レントンが家出をしたもう一つの理由の「人殺し」問題についてはここまでほとんど未消化だった。このままなし崩し的にまた殺しちゃうのかなぁと思っていたら、凛々しいレントン君が「人を殺さずに戦う」と不殺宣言。そうきたか。しかも単に武器を壊して敵を無力化させるだけではなく、セブンスウェルのような虹を発して一発で敵全体を無力化。今回は暴走もしていないし、ニルバーシュがレントンの意思を受けて新たな力に目覚めた感じ。ちょっと「ナンデモアリ」過ぎるような気もするが、盛り上がってるからよいでしょ。
戦闘後、頬を染めながらレントンと語り合うツンデレそのもののエウレカと、子供から青年への成長を遂げていくレントン。見てて気恥ずかしいところもあるけど、単純に素直に面白い。
しかしちょっとエウレカがデレデレになるのは早すぎるような気がする。こんな中盤でデレデレになってしまったら後はその関係が崩れていくしかないじゃないですか。恋愛というのは付き合い始めてからがスタートなんですよ。それまでの派手派手しいやり取りやドキドキは本来そのための伏線でしかないはずなんですよ。この二人、まだ若いし大丈夫かなあ。まあお互いに「恋のライバル」がいないから大丈夫か。あ、アネモネがいるか・・・。ホランドも・・・?
最後に気になる台詞がいくつか。まずチャールズの「王の息子、デューイ」。王などについてはいままでほとんど描かれていない。あるいはこれは「金枝篇」の方の話なのかな? 言葉のインパクトは強いけど内容についてはまだほとんど未知。
もうひとつはホランドの台詞。「俺のやるべきことがわかった」と言っているが、それが陽のものなのか陰のものなのか。一歩引き、エウレカの兄として父としてレントンとの関係を見守ることに決めたのか、あるいは逆にレントンを障害として排除すべきだとの結論に達してしまったのか・・・。
今回はエンディングテーマが「秘密基地」だった。ラスト、様々な人物のエピローグを流しながらの「秘密基地」はいい感じ。次週からまた曲が変わるのかな?