A-PART
格納庫にて、レントンの独白。
レン:こうして俺は、また前みたいに、
ゲッコー号のメンバーとして、なんとなく過ごしている
タルホさんが話していた
エウレカがコーラリアンと呼ばれる存在だということ
正直、俺にはよくわからない
俺にとってエウレカは、ただの女の子だ
前に、ホランドも言っていた通り
一瞬、俺はエウレカを連れて、逃げ出すことも考えた
二人で平和な場所を探して暮らすのも、いいと思った
だけど・・・だけど、それは何か違う気がした
俺は知りたい
俺が知らない何もかもを
俺の知らない何もかもを知った上で、
それでもなお、俺は貫こうと思うんだ
君を守るっていうことを
それが、俺とチャールズさんたちとで交わした約束なんだよ
エウレカホランドに言わないといけないな
レントンの決意。ただ無知ゆえにエウレカを疑わないのではなく、信じることを信念として貫こうという心構えの独白。チャールズたちとの出会いが、エウレカの存在が、今のレントンを強くしている。
医務室にて。眠るホランドの傍ら、レントンとタルホの会話。
レン:タルホさんは、嫌なんですよね
俺の血が、ホランドに流れるの
タル:ホランドはね、ずーっと忘れてないのよ
いなくなっちゃったダイアンのこと
あなたのお姉さんのことを。
レン:えっ?
どうしてホランドが、お姉ちゃんのことを?
タル:この男はそういう男なのよ。
自分を捨てた女を忘れられない。
ダサくて、バカで、不器用で・・・、
体を張ることしか能のない、ほんとにダメな奴なのよ
(泣くタルホ、立ち去ろうとするレントン)
タル:ごめんねレントン、ホランドがこんなやつで
レン:タルホさん・・・
確かに俺は、お姉ちゃんが好きだったけど、
でも・・・俺はお姉ちゃんじゃないです
タル:・・・(顔をあげるタルホ)
レン:俺は、俺ですから
それに、今のホランドをささえてあげられるのは、
タルホさんしかいないと思います。
タル:バカ・・・
ダイアンとホランドの関係を語るタルホ。レントンは驚きながらも、落ち着いた返答を。レントンの成長を垣間見せるワンシーン。タルホもその言葉を素直に受け入れている様子。
トレゾア技研で。ニルヴァーシュを見た所長。
所長:これは・・・
本当にアーキタイプが変形しているのか?
ジョ:ええ、もう全てが、規格に合わなくなっています
所長:まさかこんなことが・・・
ありえない
ホラ:だが、現実に目の前にある
所長:こいつの、ライダーは?
ホラ:後ろにいる
(振り返る所長。レントンとエウレカが手を繋いで立っている)
所長:・・・
ホラ:こいつの新しい駆動系と伝達系の整備、
それと新しいカウルを作って欲しい
所長:軍備品を強奪した脱走兵が、
どの面下げてそんなことを
レン:お願いします
ニルヴァーシュを助けてあげてください
エウ:この子を救ってあげられるのは、
ここの人たちだけなんです
所長:だが・・・これが軍に知れたら・・・
ヒル:報告書の偽造ならあたしがやるから兵器
所長:はぁ・・・所長:いまこの研究所は、軍の新しい機関のむちゃくちゃな発注で、
ただでさえ混乱している
ラボの連中も、疲れ切っているところだ
ホラ:そうか・・・仕方ない
他をあたる
所長:しかし、だからこそ息抜きが必要なのかも知れんな、
Type-0という名の。(中略)
所長:全部署に告ぐ
本日からまたシフトを変更する
繰り返す、本日からシフトを変更する
微細は、35分後に各部署に伝達する
タル:所長さん・・・
所長:ん?
タル:お願いがあるの・・・
アーキタイプが成長していること、軍の新しい機関が発注を行っていることなどが小出しに暴露。この世界の技術屋はみんなこんななんだろうか。いや、アクセルの弟子だからか。ここで、エウレカの笑顔が2度。いい顔で笑うようになりました。
最後のタルホのお願いが気になる? ゲッコー号の改造? それともニルヴァーシュ改造に関する何か?
所長の指示。
所長:今夜からシフトを、それぞれ8時間延長する
マル特設計、およびラピッド(?)試作
工程は45分後に、各部署に伝達する
ハンガーから、マル特をB棟に
即時、各部位を計測
特に情報はナシ。
レントンとエウレカ、ハンガーに吊るされるアーキタイプを見ながら。そこへソニアが入ってくる。
ソニ:あら、こんなところにいたの?
エウ:あ・・・ソニア
ソニ:久しぶりね、エウレカ
元気そうね
レン:知り合い?
エウ:うん
あたしが発見されて、最初に連れて来られたのがここなの
ソニアは、そのときからの
レン:(発見・・・、
そう、エウレカはコーラリアンとして発見された
エウレカは・・・)
ソニ:そう、この子が噂のレントン君ね
レン:えっ?
ソニ:はじめまして
私はここの技術開発部長、ソニア・ワカバヤシ
よろしくね
レン:あ、はじめまして、レントン・サーストンです
このトレゾアがエウレカの始まりの地。自ら「発見された」と言うエウレカがちょっと切ない。以前のエウレカは感情のない人形のような少女だったはずだが、その昔の彼女しかしらないソニアの目に、今のエウレカはどう映っているのだろうか。
医務室にて。タルホとミーシャ。
ミー:あなたも少し休みなさい
疲れたでしょ
タル:ほんと、自分勝手なリーダーにね
ミー:でも、今度は違うでしょ
タル:・・・
ミー:ホランドは、ホランドなりに決意して、
この状況の責任を取ろうとしている
だからあなただってエウレカのこと・・・
タル:全てを納得しきる自信はないの
ただあたしは、ホランドに現実から逃げて欲しくなかった
でも・・・でもそれって、責任を取ってもらいたいからじゃないのよ
あたしはホランドがホランドのままでいて欲しかっただけ
ただそれだけなのよ・・・
ミー:はぁ・・・
そこまで考えてるんだったら・・・
ねぇ、タルホ
タル:なに・・・?
ミー:いつまでもそんなかっこをしているのは止めなさい
タル:あ・・・
そうね・・・
鈍感だもんね、こいつ
研究所外にて。ストナー、マシュー、ギジェット、ムーンドギーの雑談。
所長:ただいまより120秒後にオレンジの試験を行う
ギジ:軍のKLFとか設計してるとこなんでしょ、ここ
なんかさぁ、雰囲気的に平和っていうか
ムー:んだなー
マシ:ここで作られた兵器がどう使われるのか、
当然わかった上で設計はしてるんだよ、
ここにいる奴らは
スト:元々ここは、発掘されたアーキタイプの実験機関だった
最初から人殺しの道具を作ってたわけじゃあないだろ
トレゾア研究所のいきさつ。ストナーは物知りだなあ。この爆発、軍が責めてきたのかと思った。
研究所屋上にて、実験を観察する所長とホランド。
所長:まだ、入射面積が大きすぎるな。
ホラ:なんつー兵器だ
所長:ん?
ホラ:あんたらしくもない
所長:寝てていいんだぞ
ホラ:軍の新しい組織に関係してるんじゃないのか? あの兵器
所長:企業秘密だ
ホラ:デューイが動き出したんだな
所長:・・・
さあな
なんにせよ、あれを発注してきたのは、
どのような経緯で創設されたのか、
どういう構成なのかもわからん、
謎の部隊だ
名前は「アゲハ隊」
ホラ:アゲハ・・・
所長:可能な限り、スカブの最深部にインパクトを与えることを
目標として課せられている
弾道飛行する遠隔操作型爆撃機、エイフェックスに搭載し、
ミサイル自体も通常の24倍の比重をかけている
しかも、実際の運用時にはギャクソウレキ(?)弾頭が使われる予定だ
ホラ:空を汚し、地面を荒廃させる
何かとてつもない妄想を抱いているんじゃないのか?
所長:・・・
オレンジ設計班、
入射面積の再計算を、至急行うように
ホラ:ゲッコー号が修理できたらいつでも出て行く
所長:Type-0のスペックアップなど朝飯前だ
お前は、自分の体の修繕のことだけを考えろ
「アゲハ隊」の名が。「オレンジ」はデューイがコーラリアンを倒すために作らせていると考えてよいだろう。何かとてつもない妄想。アゲハ構想のことだろうか。
化粧室の鏡の前のタルホの独白。
タル:けっきょく、逃げていたのはあたしも同じなのかもね
あたしも・・・変わらなきゃ
(髪の毛にハサミを入れる)
タルホの変身シーン。ホランドに「逃げないで」と言いつつ、ホランドの過去に自分も縛られていたことに気づいた。レントン、エウレカ、ホランドに続き、タルホも成長。チェンジ・オブ・ライフ。
B-PART
ガレージにて。ソニア、ミーシャ、レントン、エウレカ。
ソニ:すごい、本当にアーキタイプが進化しているなんて
これは外装パーツどころか、全面的なレイアウトの見直しが必要かもね
ミー:時間かかりそう?
ソニ:ここにある光成型で原型ができても、
仕上げは職人の手作業なの
十日はかかるわ
ミー:迷惑かけるわね
ソニ:あは、たまにはイベントも必要よ
ミー:で・・・、あいつの姿が見当たらないんだけど
ソニ:実地調査に行っているだけ
すぐに戻ってくるわ
ミー:ほんとタイミングがいいんだか悪いんだかエウ:ほら、あそこを良く見て
背中のコックピットのところ
レン:ああ、ほんとだ
まるでいかにもここに2つ作れって言ってるみたいだ
エウ:ね?
ソニ:それがこの最初に発見されたアーキタイプの特徴だった
以後に発見されたアーキタイプも、
外観こそ似たものは数多く発掘されたけれど
最初から2座席分が用意されていたのは、このアーキタイプのみ
なぜ2座席分用意されているのか
そもそもアーキタイプがどうして巨人の形をしているのか
その解釈を巡っての論争は、終わっていない
それにエウレカが答えてくれればよかったんだけど?
エウ:あ・・・ごめんなさい
私、発生したときの記憶がないのソニ:そうだ、うちの所長が映画を作ったのよ
見てみる?
レン:映画・・・?
ミーシャの言う「あいつ」って誰だ? ミーシャの彼氏?(想像できねえ)
エウレカが発生時の記憶がないことを告白。発見に続き、発生。なんだか切ない。ニルヴァーシュに座席が2つある謎。謎がひとつ解けるたびに新しい謎が追加されていく感じ。
映画「『ライトファインティングオペレーション』開発のあけぼの」
解説:発掘された人の形の遺跡物は、
いったいどれほど古いものであるのかも、不明でありましたが、
極めて状態が保たれていることが幸いし、
ほぼ完全な復元を行うことができたのは、
トレゾア技研の誇る、優れた技術力によるものでしたこの遺跡物の各部位に、電気的な刺激を与えると、
意図どおり動作をすることが判明します
全身の神経伝達回路と思われる経路は、背部に集中しており、
ここに、指令系統があったものと推察がなされました動力伝達系統を加え、遺跡物は、人の形をし、
人の動きを模倣する機能を持つことが、確認されましたが、
自立的機能が見出せず、そのオペレーションは困難を極めます(エウレカ登場)
解説:遺跡物と同時に、発掘現場付近で保護された少女エウレカが操作をすると
ほら、この通り
今度は自動車のようになりましたこの遺跡物の能力を最大限に引き出すことが、
高い技術を誇る、トレゾア技研の使命でもありました
動力は、トラパーによる発電が適していることがわかり、
その能力を生かすために、
スポーツで盛んな、リフライディングの機能を持たせましたこの大きなリフボーダーのためのボードの制作も
技術的には、大きな試練となりました(じっちゃん登場)
レン:じっちゃん・・・
エウ:このときのことは、もう覚えている解説:遺跡物は、ニルヴァーシュと名づけられ、
後に発見され、作られていく
LFOの雛形となったのでした
(終)
エウレカがニルヴァーシュとともに発見されたこと、アクセルがニルヴァーシュの開発に関わっていたことなど、劇的ではないが情報を小出し。アーキタイプからどのようにLFOが作られたのかの解説としてわかりやすい方法をとったなあ、と思う。髪を下ろしたエウレカ、少し若いミーシャなど、ちょっと面白い絵もあり。
研究所の外。夕日の中、タルホがゴミ捨て場の前にたたずむ。それを見つけたエウレカ。タルホが変身している。
タル:どうしたの?
エウ:変わった・・・
タルホ、変わったね
タル:・・・違う、戻ったのよ
なんかね、全部ほったらかしちゃおうかなーって思ったんだ
ちょっといろいろと辛かったしね
だけどこうしてみて思った
やっぱり全然変わってなかった
昔の想い、昔の気持ち
昔に戻っただけなのよ
変よね・・・ほんと変
エウ:いいんじゃないかな
タル:えっ?
エウ:だって、あたしにはタルホが変わったって思えるもの
あたしも、気がつかないうちに変わっていたもん
タルホだって変わった
でも、それって怖いことじゃないよ
タル:・・・、まったく・・・
あんたにはかなわないな
ほんと羨ましい
(帽子を取り、それを見つめるエウレカ)
タルホのわだかまり、完全に氷解と見ていいのかな。エウレカも苦難を乗り越えてひとまわり大きくなってる。たんなるデレデレキャラではなかったか。ボーイ・ミーツ・ガールがテーマだけど、ガール・ミーツ・ボーイ。こちらもこちらでちゃんと進んでる。
研究所内、所長とレントン。
所長:(受話器を置きながら)まったく・・・相変わらずの頑固親父だ・・・
レン:所長さん・・・
所長:ん? どうした?
レン:映画・・・見ました
映画の中に、俺のじっちゃんが出てました
俺のじっちゃんは・・・
所長:・・・
アクセル・サーストンは、俺の師匠に当たる人だ
レン:えっ!?
所長:お前の爺さんは、厳しい人でな、
うちの上層部と喧嘩して、ここを飛び出しちまった
その後一度だけ、ベルフォレストの工場を訪ねたことがある
Type-0のリフボードが、なかなかうまく出来なくてなぁ
サーストンに、頭を下げて仕上げてもらった
レン:・・・
所長:いいところじゃないか、お前の故郷は
レン:何もない、つまらない町ですよ
所長:ふーむ・・・
アクセルが所長の師匠であり、以前はトレゾアにいたことが明らかに。ニルヴァーシュにどのくらい深く関わっているかはまだ不明だが、アミダドライブ持ってたし、けっこう深く関わってそう。アドロックもここにいた可能性ありかな。
爆音ロック鳴り響く中、ホランドが目を覚ます。
ホラ:なんだよー、このジジ臭ぇ曲はよお
ったく、目覚めが悪ぃ
タル:相変わらずだねぇ
ホラ:あっ?
タル:昔っから嫌いだったもんねぇ、こういう曲がさ
ホラ:・・・うっせえなぁ
タル:そう言ってるあたしたちも、
いつかはおじさんとおばさんになっちゃうんだよ
ホラ:・・・うっせえなぁ・・・
変身したタルホを見て照れてるホランド。今度はこっちがツンデレかい。
ニルヴァーシュのパーツ制作中。
レン:エウレカ! もう作り始めたの?
エウ:うん
ほら、ニルヴァーシュも喜んでる
よかったね、ニルヴァーシュ
あなたも変われるんだよ
私みたいに!
(ゴミ箱に捨てられたエウレカの帽子)
チェンジ・オブ・ライフ。