とうとう終わってしまいました。1年間、じっくりと楽しませてもらった。こんなに確りとアニメを見たのは何年ぶりだろうか。さて、何から書いたものか。思いつくまま散漫に書いてみます。
最終回について。作画も盛り上がりも最高潮だったのだが、微妙に消化不良感が残る。この回が駄目だったとかそういうことではなく、26話や前48話が劇的過ぎたがために、それ以上の感動を求めてしまったためだろう。確かに様々なネタバレや意外な展開は数多くあったものの、前述のランデブーみたいな熱い場面や、目頭が熱くなる場面があまりなかったかなあ。
もうひとつには、話の流れが少しわかりづらかったというのもある。デューイの死からエウレカの司令クラスター化についての流れ、意味がいまいちわかり辛い。
オラトリオNo.8で司令クラスターを破壊
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コンパクドライブを体に埋め込んだ聖人デューイが死亡、コンパクドライブを埋め込んだ意味がわからない
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エウレカとアネモネの首輪が発動
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エウレカ死亡? もしくは瀕死? ここの作用がわからない。
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エウレカが司令クラスター化。ここの流れもわからない
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デューイ的にはここでクダンの限界が発生。これもわからない。
司令クラスターを破壊したことにより、コーラリアンは目覚めるが、中心核を失ったことで「一個の生命」としての決定的要因を欠いてしまった。ゆえにそのままではクダンの限界は発生しない。そこでエウレカやアネモネを司令クラスター化し、改めて「完全な一個の生命」とすることでクダンの限界を引き起こそうとした。ということかなぁ。それでも判りづらい部分は残る。
結果的にデューイの目的は「救えないならば世界を滅ぼしてしまえ」ということだったようで。なるほど演説も上滑りするわけですわ。それなのにアゲハ隊たちを逃がすってのはどういうことなんでしょう。どうせ地球は滅びるのに、どこに逃がす気だったんでしょう。最後の良心? それとも単にそういう方便で邪魔者を船から遠ざけただけ?
デューイとホランドの決戦。最後はガチンコ対決。デューイもLFOに乗ったりするのかなあと思ったが、そういう泥臭いことはやりませんでした。
最終的に1から10まで、いや9.9までデューイの思惑通り。最後の最後で逆転。でも多くの犠牲を出し、「鼻を明かした」という感じはしませんね。最後に消化不良だと感じたのは、ここのカタルシスが足りなかったというのもあるかも。最後にエウレカとレントンがデューイの想像を遥かに越え、デューイが生きたままで驚き悔しがる顔を見たかったのかもしれない。
さて最終回のびっくり展開。最大のびっくりはニルヴァーシュの最終変形。いきなりポケモンか藤崎竜が描くようなソフビ系キャラに変貌。しかもなんかビーム出してるし。熱い展開なんだけど、こういう「最後にどーんと」ってのは「なんじゃそりゃ」ってのとギリギリかなあ。
そしてレントンがエウレカを救出した後に女性の声でしゃべるニルヴァーシュ。最初はちょっと「えええまじかよ」と思ったけれど、きっとこれがエウレカにずっと聞こえていた声なんだろうなと思い直した。最後にそれがレントンにも聞こえた。そう考えればちょっと感慨深い。
もうひとつのびっくりはゴンジイ。目を開くと赤い円が。コーラリアンが月光号に送り込んだ監視役だったとのこと。特に伏線もなくいきなり語られたということもありかなりびっくり。しかも目を開くと怖いし。コーラリアンと感応できるエウレカは気付いてたのかな?
ラスト。エウレカとレントンのキス。ようやくここまでたどり着きましたね。ずっとキスイベントがはぐらかされてきたけど、このために引き伸ばしてたのか。
そして月の落書。月面にハート。最後の最後でそう落とすか! 「まじかよ!!」とリアルで叫んでしまいましたよ。どこのギャグ漫画だよ。
このアニメにはいろいろなものが込められていた。様々なものをモチーフにしていた。しかし飽くまでも「ボーイ・ミーツ・ガール」を中核に据えることにより、泥臭さが全面に押し出されることなく、すごく爽やかな話として落ち着いたような気がする。そこにだけ目を止めて血なまぐささを見失うことはあるいは誤魔化しになる可能性もあった。しかしその葛藤を作中でレントン自身が直面し、乗り越えることによって、誤魔化しで終わらせなかった。
最終的に第1話からはじまった「ボーイ・ミーツ・ガール」は最後までテーマを見失わず、描ききられた。「愛する者を救うということは世界を救うこと」。青臭いけど、14歳の若者の英雄譚はこれでいいと思う。
もうひとつの中心的テーマである家族について。14歳という若さで家族を持つという責任や重さが描けるものかと危惧していたが、子どもたちとレントンの絆を時間をかけてじっくり描いたことにより、それも成し遂げられていると思う。特にモーリスとレントンの確執とそれを乗り越えるエピソードが、この家族の繋がりを強くした。エウレカとレントンは旅立ってしまったが、子どもたちが待っているから「必ず戻ってくる」という確信が持てる。
まとまらなくて非常に散漫な感想になってしまったけれど、性格上またあげ足取りみたいなことも書いてしまったけれど、名場面、名台詞もたくさん脳裏に残っているし、久々にじっくりと楽しめる作品に出会えたという気持は確かだ。全体の感想についてはまた改めて書くかも。
アニメは終わったけれど、漫画など他メディアではまだ続くようだし、もうしばらく楽しませてもらえるかな。
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