パシフィック・ステイトとチェンジ・オブ・ライフ
「パシフィック」・・・平和な、穏やかなの意。ステイトはゲッコーステイト。穏やかなゲッコーステイト。ここしばらく緊張の続いたゲッコーステイトのつかの間の休息。
チェンジ・オブ・ライフは続いていた。レントンが変わり、エウレカが変わり、タルホとホランドが変わり、そしてニルヴァーシュが変わった。最後に変わったのはゲッコーステイト。「変わったのではなくて、戻っただけ」とタルホが言っていたのと同様、ゲッコーステイトもその原点に立ち戻っただけ。しかしそれは新たなる決意と覚悟を明確にした変化。少し寂しいけど、たぶん最後のおちゃらけ。
今回、展開としてはあまり進んではいないが、ゲッコーステイトのチャンネルを切り替える不可欠な回だったと思う。これでいままでのわだかまりが完全に消え、全体が引き締まり、後半の闘いへ真正面から向き合っていける。
オープニングでサーフィン
今回はオープニングソングなし。ストナーの語りでサーフィンとリフの説明がなされる。
地球からの移住はおよそ一万年前とのこと。思ったよりも長い時間をこの地で過ごしてる。
サーフィンの説明をしている間、地球の海でサーフィンをする若者の姿が映し出される。その中に、レントンとエウレカ、ホランドとタルホなどの姿(前世?)が。そしてチャールズとレイの姿も! そういえばエウレカの水着姿ってのもレアだな。
先週からそうだったけど、ニルヴァーシュの中のエウレカとレントンの手の握り方が恋人繋ぎになっとるよ、まったく。
オープニング後の提供の絵がアネモネになってた。ここの絵は第1話からずっと変わってなかったと思うんだけど、ここで変わっちゃうのかしらん。
イチゴキャンディ
帰還したレントンと話をするイーガン博士。イチゴキャンディを取り出して「愛」について語ってるけど、あんた離婚しちゃってますから。でも言っていることは妥当。「こういうのは想い出が必要なんだよ」というのは後でタルホが言ってるのと同じことだし。
しかし、ニルヴァーシュのコックピットはえらくシンプルになっちゃってますね。コンソールや操縦桿、足元なんかがすっきりしすぎてちょっとカッコワルイ・・・。コンパクドライブのギアもなんかちょっとダサい・・・。前の方がかっこよかったような気がするんだけど。
タルホとホランドの写真
タルホが自室で見ているホランドとの写真。「二人とも若くて・・・」と言っているが、どのくらい前の写真なんだろうか。二人の出会いや経緯についてはあまりかたられていないけど、どの時点でダイアンが絡んできたのか依然として不明。
談話室での会話
ストナー、ハップ、マシューがホランドに現状と今後のことについて詰め寄るシーン。「こんな状況で、俺たちは本当に人類とスカブコーラルの共存を目指せるのか?」と、はっきりと要点をついた発言をしていたのがマシューだったのが意外。
レントンとタルホ
エウレカに贈る物を探していたレントンのところにタルホがやってくる。久々にタルホの大笑い。明るさと素直さを取り戻したレントンが、みんなの明るさも取り戻してるね。
話を聞いた後のレントンの「うぁーーっ、そうかーーっ!!」が年相応の子どもっぽくて微笑ましい。
B-PARTの作画崩れ
B-PARTに入ってところどころ作画が崩れてる。タルホの目が小さめだったり、ホランドの顔がすげー老けて見えたり。普段しっかりした絵だけに、少し崩れると気になってしまう。
突っ込み役ソニア
リフに向かうヒルダとマシューに呆れるソニア。追い討ちをかけるミーシャ。レントンがゲッコーステイトに溶け込んで以降、久々に登場した突っ込み役。こういう笑いを最後まで忘れないでほしいな。
めんどくさくなってない?
落ち込むエウレカに声をかけるレントン。レントンの腕を掴んで「めんどくさくなってない? あたしのこと迷惑だと思ってない?」と聞くエウレカ。ほんとにこれコーラリアンですか? 甘酸っぺー。やりとりとしてはここのところずっと繰り返しているアレだけど、この台詞はなんだかリアルで重たい。
コーラリアンとしての数値上昇
ミーシャがエウレカのデータを見ながら、「コーラリアンとしての数値が上昇している」とつぶやく。コーラリアンとしての数値があるということは、逆に人間としての数値もあるのかな。抗体コーラリアンの出現とともにエウレカがコーラリアン化していくようだ。このままデューイの地殻攻撃が続けば、最終的にエウレカは完全にコーラリアン化してしまうのか。何度も書いてきたが、今のエウレカとレントンのベタベタは、後に二人が敵対することへの伏線としか思えない。そうなったら切ないなあ・・・。
ホランドの鼻水
ボードに上手く乗れず、鼻水垂らして泣いているホランド。まさかホランドまでが鼻水垂らして泣くとはなあ。ここで、「だせぇ」ことを自ら認め、タルホの大切さを本人に伝えたホランド。これでいろんなものが吹っ切れたんじゃないかな。
ここで指輪を落とすタルホ。その指輪は2つに分けられ、二人の薬指に。プロポオズしちゃった?
ゲッコーステイトの解散
首都への信仰に先立ち、ゲッコーステイトの解散を宣言するホランド。その中でレントンとエウレカへの謝罪も口にする。ホランドが荒れてるころはむかつくキャラだったが、毒がなくなったらなくなったでちょっと寂しい気もする。だって今回のホランド、菩薩みたいな顔してるもん。
解散を宣言した後、ブリッジに居るホランド、タルホ、ケンゴウの三人語り。ゲッコー号奪取はこの三人で行ったとのこと。ハップは? 軍の離脱をそそのかしたのってハップじゃなかったっけ?
そこへ徐々に集まってくる面々。ホランドの「ありがとう」を「はじめて」と言いながら席に付くハップ。何事もなかったかのように通信を報告するギジェット。いつもの調子で現像しているストナー。そうやってみんなが集まっていく。ウォズの「中央電算装置も復旧してる。リーダーと同じくね」って台詞が胸にじわりとクる。あー、ベタだけどこういう「集まってくる」感じ、いいなぁ。
最後にレントンが言う。「ホランドがやろうとしていることは、いままで俺たちがやろうとしてたことと同じなんじゃないかな、って」と。確かにそうなんだよね。ホランドは「俺の個人的な動機に基づくもの」と言っているが、そうじゃない。皆がその動機に共感しているから集まってきてできたのがゲッコーステイトなんだから。その再確認。
ここでビバッチェの新オープニングテーマがかかっている。ちくしょう、こんなところでかけられたらかっこよく聴こえてくるじゃないか。
ムーンドギーの仕事
そうそう、ムーンドギーはカタパルト管制室で仕事してたんですな。ちゃんと仕事あって良かったー。
さいごに
今話は見終わった後にすごく余韻が残る。「あー、みたなぁ」という重い感覚が。重いといっても嫌な感じではない。ここ最近で徐々に剥がれ落ちていたいままでの垢や錆が一気に全て振り落とされたような感覚。
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