コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

懐石(かいせき)*


「懐石」といえば、豪華な日本料理のコースなどに使われる言葉となっているが、本来は茶の席で出される簡単な食事のこと。「会席料理(かいせきりょうり)*」の会席と音が同じことから混同され、本来の意味とはまったく逆の豪華な料理の意として使われたりしている。

禅寺で腹が減った僧侶が、暖めた石を懐に入れて空腹を凌いだことから「懐石」という言葉が生まれたらしい。しかし、空腹を暖めた石で凌ぐ、とはこれまたいったいどういうことなのか。そんなことで空腹が凌げるのか。懐が重く暖かくなれば、腹が重くなったように錯覚する、とでもいうのだろうか。試したことはないからわからないが、珍妙な話である。

ちなみに、「会席料理」とうのも本格的な料理の簡易版で、実際の和食のコース料理は「本膳(ほんぜん)*」というらしい。