コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

ニッチの概念


「ニッチ*」。id:exhum氏のコメントに書かれていた言葉。初めて聞く言葉、概念だったので少し調べてみた。

ニッチとは光や水や食糧や場所など生態系を構成する生物にとっての多様な環境をそれぞれ一つの軸とする多次元空間としてとらえ,多次元空間の中で個々の生物種が存在可能な部分空間を指している

ニッチ (niche;英、仏ではニーシュ)とは生物学では生態的地位を意味する。1つの種が利用する、あるまとまった範囲の環境要因。

ニッチは棲み分けそのものではなく、「棲み分けされた場所」という意味になるようだ。他種が同一の環境に存在していると、どちらかが淘汰されてしまうので、生存するために最適の環境から少しずれた環境などへシフトしていく。そのシフトした先がまた新たなニッチとなる、というようなことでいいのだろうか。

具体例もまたWikipediaから。

例えば、北米に生息するアメリカザリガニ(Orconectes属)のO. immunisとO.virilisは単独で生息する環境では、両者とも川底に石が多い環境を好むが、両者が同所的に生息している場合、O. immunisが泥底に生息場所を移すことで共存を実現している。
また、昼行性のワシ・タカと、夜行性のフクロウは共通の餌を昼と夜で食い分けることによって、共存を実現している。すなわち、時間的なニッチにおいて棲み分けがなされているのである。

言葉で言えば、それまで「神の月」や「水の月」という言葉で通用していたものが、新暦の導入により意味をなさなくなった。そこでこれらの言葉は生き残るために、その生息域(意味)を多少変えた。結果「神無月」「水無月」という新たなニッチにて生きながらえている、ということになるのだろうか。


他にもあまり聞いたことのない言葉がいくつかあったので調べてみた。

「収斂(しゅうれん)*」とは、異なる系統の生物が似たような形質を持つようになることだそうだ。例えばコウモリとトリ、クジラとサカナ、のような関係。

「適応放散(てきおうほうさん)*」は進化の過程において、異なった環境に適応していくために、異なった系統に分化していくこと、とのこと。

「平行進化(へいこうしんか)*」は、異なる種が同じような進化の分化をしていくこと。大陸の哺乳類とオーストラリアの有袋類が、まったく異なる場所で同様の分化をしたのが典型的な例、らしい。

私もまだまだ言葉を知らないなぁ。概念としては知っていても言葉としてはよく知らなかった。こういうきっかけで言葉を知っていくのもまた楽しい。

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