コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

WASABI

普段だったら自分から進んで見ることはまずない系統の映画なのだが、カナダ人の友人が貸してくれたので見てみた。ジャン・レノは好きだけど、共演が広末だし、最近ぱっとしない「リュック・ベッソン プレゼンツ」だし、あんまり期待せずに見始めた。でも、思っていたよりもよかった。エンターテインメントとしてじゅうぶんに面白い映画だったと思う。

フランスの映画が肌に合うのかもしれない。といっても、それほど多くフランス映画を見ているわけではないのだが。フランス語はチンプンカンプンだが、その語感は耳に心地よい。特にジャン・レノの声はいい。フランス映画の微妙な笑いもけっこう好きだ。まさかジャン・レノDDRをさせるとは。

広末涼子の演技は大丈夫だろうかとちょっとひやひやしていたが、これも思ったほど違和感はなかった。ほとんどフランス語でしゃべっていたからごまかされたというのもあるだろうが、ジャン・レノとのやり取りはけっこうすんなりと見れた。。逆に日本語でしゃべってるときの方が違和感を強く感じたような気も。しかし、広末はがんばってフランス語の勉強したみたいだなぁ。私もフランス語はわからないなりにも、聞いててちゃんとそれっぽく聞こえた。「KILL BILL」の「ヤッチーマイナー」より断然マシだろう。なんやかやといってもさすがに役者である。正直ちょっとすごいと思った。

ただし、広末はどう大目に見てもフランス人とのハーフには見えまない。特にジャン・レノとは根本的に顔の作りが違うだろ。そういう意味ではミスキャストかも。

あとは、恒例の「外国映画の中での日本」だが、他の映画にくらべてかなり今の日本をうまく表現していたように思う。イマドキの若者の雰囲気とか、街の風景とか、京都の観光客の感じとか、無理に誇張せず、わりと自然な日本の姿を映し出していたと思う。ただしそこはそれ、微妙な違和感はぬぐえない。弁護士事務所の中にやけに和風な竹やぶの装飾があったり、ゲーセンの内側に「ゲームセンター」ってネオンがあったり。それと広末の衣装と買い物のときのデパート内はさすがにちょっとおかしかった。それともイマドキの若い娘は普通にあんなかっこうしてるのかな? しかし若者の服売り場で扇子は売ってねーだろ。それでもともかく、先日書いた「カウンターストライク コンディションゼロ Deleted Scene」の意味不明な日本風景に比べたら全然マシ。

あ、それと、「リュック・ベッソン プレゼンツ」ってのがそろそろ邪魔になってきているのではないだろうか。ネームバリューを利用しているというよりは、映画に先入観を与えて感想を変質させてしまうことの方が多いように思う。昔のリュック・ベッソンは好きだったけど、最近はあんまりぱっとしないし、個人的には「リュック・ベッソン プレゼンツ」の肩書きが付いていると、逆に見る気が低下してしまうんだよね。「YAMAKASI」とかいまいちだったのもあるし。まだ「リュック・ベッソン フィルム」みたいな会社名にしちゃった方が良くはないだろうか。

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