コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

竹島問題について

少し前の話になるが、お隣の島根県で「竹島の日」を定める条例が可決された。韓国はものすごい反発を見せ、領土が他国の武力によって侵略されているというのに日和見を続けてきた日本政府はアタフタしている。どっちを見てもなんだか滑稽に見えてしまう。

しかし笑っている場合でもない。これは領土侵犯、侵略の問題である。本来なら拉致問題と同じくらい深刻な外交問題のはずだ。にも関わらず、日本政府もマスコミもずっとなおざりにしてきた。こういう重大な問題に蓋をしておいて「日韓友好年」なんてありえないだろうに。

しかも過去には竹島周辺で操業をしていた日本の漁船が韓国軍に襲撃や拿捕され、死者も出ている。竹島問題はけっこう血なまぐさい話なのだ。


それに、竹島周辺の水域については日韓の共同管理する「暫定水域」ということになっているが、実際には島根の漁船は竹島周辺の漁場から締め出されているらしい。ちょっと納得いかない。


しかしいくら正論を説いても、領土問題となると話し合いではなかなか決着がつかない。こうなったらもう第三者の介入による客観的な判断を仰ぐしかないと思うのだが、それもうまくいかないようだ。

韓国の潘基文(パン・ギムン)外交通商相は25日、ソウル市内での講演で、竹島(韓国名・独島)の領有権問題を国際司法裁判所で解決すべきだとの意見が日本で出ていることについて、「日本が提訴しても、韓国政府に訴訟に応じる義務はなく、必要もない」と述べた。
同裁判所で審理するためには日韓両国が付託に同意する必要があるが、韓国は拒否姿勢を改めて強調することで、日本側の動きを封じ込める狙いだ。

どちらにしても自分たちに理があると思うのであれば、司法の場でさっさと解決させるべきだろう。それを避けるというのは、やはり自分たちの主張にやましいところがあることを自覚しているからなのではないかと勘ぐってしまう。

これが人間同士であれば、裁判所が強制的に問題を司法の場に持ち出すことができるが、国と国との諍いではそうもいかないようだ。それに裁判を行なったとしても、国際司法裁判所の決定に従わない国もあるみたいだし。


しかしこう見てると国家というのは人間のエゴの極限だね。だだっこが「それはオレのもんだ」と言い合っているのに等しい。「力が正義」を今だに押し通してるし、規模が巨大すぎてまともな仲介役もいないし。ともかく困った話だ。

追記

これ酷いね。

例えば竹島を日韓の共同管理にできればいいが、韓国が応じるとは思えない。ならば、いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する。
 見返りに韓国はこの英断をたたえ、島を「友情島」と呼ぶ。周辺の漁業権を将来にわたって日本に認めることを約束、ほかの領土問題では日本を全面的に支持する。FTA交渉も一気にまとめ、日韓連携に弾みをつける――。

やがて「併合100年」の節目がくる。ここで仰天の度量を見せ、損して得をとる策はないものか。いやいや、そんな芸当のできる国でなし、だからこれは夢想に過ぎないのである。

これって「うるさいあの国も、島ひとつくれてやれば大人しくなるだろう」って言ってるのと同じだよ。泥棒に対して、「盗んだものはくれてやるからもう家にはちょっかい出すな」って言ってるようなものじゃん。酷い話だ。暗に「韓国には引く度量がない」とも言い放ってるし。韓国に対しても失礼だし、日本も馬鹿にしてる。

だいたい、そんなことで友好が築けるものなんですかね? 自国の正しいと思う主張も貫けないような国を、いったいどこの国がまともに相手してくれるというのでしょうかね? こういうところで簡単に譲歩してしまったら、韓国に限らず、世界中の国々から軽く見られるのが落ちかと。日本はごねて脅せば屈する、と。