コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

シュールレアリスムな画家

追記:以下にあげる芸術家達はシュールレアリストとは言えないとのご指摘を頂いた。ので「変な絵を描く画家」くらいのニュアンスで読んでいただきたい。また、シュールレアリスムに関する記述はまったくデタラメらしいので、読み流してほしい。


私好みのシュールレアリスム系の画家について。といってもあんまり知ってるわけじゃないし勉強したわけでもないので単に好き嫌いの話。すべてをシュールレアリスムと括ってよいのかどうかわからないが、超現実という意味ではどれもそうだと思うので。ちなみに選んでる本は持っているわけではなくて、イメージ用に適当に拾ってきたものなので悪しからず。


フランシス・ベイコン 対談
Francis Bacon
Francis Bacon and the Tradition of Art (Art Catalogue)
フランシス・ベーコン (Francis Bacon)
はじめて「教皇イノケンティウスX世の肖像」(左端・画像)を見たときは衝撃だった。悲鳴を上げる頭の半分無い教皇の肖像。同じ「叫び」がテーマでも、ムンクの熱く激しい叫びと違い、冷たく暗く静かで重い。狂気をカンバスに塗りつけたような迫力。まるで椅子に縛り付けられ何かに拷問を受けているような印象を受ける。まるでホラーだ。いやホラーというよりも、絶望という言葉の方がよく似合うだろうか。それにしても教皇をこのように描く感性と度胸がすごい。一度目にするととてもではないが忘れられない。部屋には飾りたくない絵の筆頭だが。
また彼は、歪んだ顔の肖像をよく描いている。同じように歪んだ顔を描いていても、ピカソのような明るさはない。それまはるで「黒いピカソ」のようだ。


Edvard Munch (World of Art)
Munch and Women: Image and Myth
Munch Notebook (Decorative Notebooks)
エドヴァルド・ムンク (Edvard Munch)
言うまでもなく「叫び(The Scream)」(左端・画像)で有名な北欧の画家。だが「叫び」があまりに有名になりすぎて、まるでギャグのように扱われているのは少々残念だ。
この人はシュールレアリスムというよりは印象派の人だ。しかし「叫び」に関してはシュールレアリスムに片足を突っ込んでいると見てもよいと思う。「叫び」はこの人の作品の中では突出した異色作ではあるが、しかし「叫び」以外の作品もなかなかに濃い。「マドンナ(Madonna)」(中央・画像)や「思春期(Puberty)」(右端・画像)など、一見普通に見える裸体画、肖像がなどでも、どことなく骸骨を思わせるようなデザインであったり、影が別の生き物のように伸びていたりと、微妙な非現実感を漂わせている。この人の絵も、見ていると精神が不安定になりそうなので部屋には飾りたくはない。


Giorgio De Chirico and the Myth of Ariadne
Giorgio De Chirico: Endless Voyage (Pegasus Library)
De Chirico & The Mediterranean
ジョルジュ・デ・キリコ (Giorgio de Chirico)
典型的なシュールレアリスム画家のひとり。車輪を押している少女のシルエットがある絵「通りの神秘の憂愁」(画像)や、たまご型の頭をした静物のような人物画「THE DISTURBING MUSES」(画像)などが有名どころだろう。前者の絵は先日のルパン三世のマモーの話にも出てきていた。あの絵をアニメで使うといこと自体がシュールで面白い。キリコの絵はダリと同様、まるで夢の中を描いているようだ。しかしダリと違い、絵や物体があまり歪んでいない。むしろ直線的なイメージがある。この人の絵なら部屋に飾っても大丈夫か。*1


他にも書きたい画家がいるが、思ったよりも書くのに時間がかかるのでまた今度。表紙絵のある本を探し、関連サイトを探し、イメージを探して文章を書きながらリンクを張り、絵のタイトル調べて・・・、と楽しいのだがけっこう大変。下に利用したサイトをあげておくが、もっと情報を一括管理している便利なサイトないかな。

もう一言。芸術関連の人の名前ってけっこうキーワード登録されていないんだなあと感じた。私が好きなところがちょっとズレているのかもしれないが。しかしGoogle検索してみるとそれなりにヒットするので登録してしまってもよいかな。キーワード登録が目的というよりも、それについて言及している人のところを見に行きたい。

*1:Wikipediaに「キリコ」についての記述がない! マイナーなのかなぁ。