コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

パッチ・アダムス

パッチ・アダムス [DVD]

パッチ・アダムス [DVD]


たまたまBS2でやっていたので見はじめたのだが、けっきょく最後まで見てしまった。こういう人情ものは、最近あまり積極的に見ることはないのだが、見たら見たでけっこう面白かったりする。

ネタバレもあるので。


あらすじ。

自殺未遂で精神病院に自主入院したハンター・アダムス(パッチ・アダムス)は、その病院で、人を癒すことが自分自身を癒すことだということを悟る。それから医学校に入学し、医学の勉強をはじめたパッチ。しかし学院では、3年生にならなければ患者と接することができない。患者と接すること医者の最も大切なことと考えるパッチは、学校の規則に逆らい、病院に忍び込んで患者たちと接する。そして子供たちや老人たちをその独特のユーモアで笑わせ、暴力的で誰ともうちとけない患者とも仲良くなってしまう。そのうち、同級生やパッチが思いを寄せる女性カリン達を巻き込み、ホームなる無料の医療施設を開設する。そこでは患者が医者であり、医者が患者というコンセプトで、皆が皆お互いに助け合って治療を行っていた。

しかしそんなとき、ホームにやって来ていた自傷行為の常習者が、パッチの恋人となったカリンを殺し、自らも自殺してしまう。絶望に打ちひしがれるパッチ。ホームをたたみ、パッチ自身、もう一度自殺しようと試みる。しかしそこでカリンのことを思い出し踏みとどまるパッチ。

だが今度は、学院から「素行不良」ということで退学処分を言い渡される。そこで医学界に意義を申し立てたパッチ。そこでパッチは、現行の医療や医学校での教え方を批判し、「患者と接することの大切さ」を力説し、学校をやめさせられても、人を救うへの情熱は止められることはない、と断言する。

あらすじここまで。


どうやらこれは実話らしい。パッチ・アダムスという人は実在し、実際に無料で何千人もの患者を治療し、患者による互助的な病院を設立したということだ。ただし、映画がどこまでリアルに事実をなぞっているかどうかはわからない。ちなみにパッチ・アダムス自身は映画に対してこう言っている。

@:ロビン・ウィリアムス主演映画『パッチ・アダムス』は、いかがでしたか?
P:実は、僕の人生を映画化はして欲しくなかったのです。でも、自分が思い描く病院を建てるためには、資金が必要でした。あの映画で描かれている、エピソードは本当です。しかし、僕の人生は面白く楽しいものだけではないんです。おかしさや楽しさだけに、笑いを使っているのではなく、それは目的の手段として使っているのです。その辺りを描かれていなかったのが残念です。僕は、黒澤監督の『赤ひげ』が好きです。アメリカの赤ひげ・・・のように描かれることを希望していました。
@:でも、たくさんの方がパッチに共感したと思います。
P:Thank you !!! そうですね、あの映画を観て、70ヶ国以上の人からお手紙をいただきました。そして、その手紙の中には、「今までよりもいい医者になりたい・・・」というような内容が書かれていて、僕はとても嬉しかったんです。

テレビドラマでも医学関係のモノは多い。ワンクールに1つか2つは必ず医学関係のドラマが入っているのではないだろうか。そしてそれらのドラマには必ずといっていいほど、「倫理観」や「患者の幸せとは」というようなテーマが込められる。その「作り話」の中の主人公のようなことを現実に行ってしてしまったのがパッチ・アダムスなのではないかと思う。

こういう話の場合、偽善だとか自己満足だという批判を聞くこともある。ただし、彼の場合は、単なる倫理的観念だけではなく、きちんと知識と論理の裏づけでもって笑いを「治療」のひとつとして導入している。単に人情話として終わるのではなく、それを継続的に実践し、実行し、成果を出し、賛同を得ているのは素直にすごいことだと思った。

なんだか映画の感想になってないような気がするが、このへんで。

関連サイト