スティーブン・スピルバーグ監督の子どもロボットが主人公のアレです。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2003/12/06
- メディア: DVD
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正直なところイマイチだった。格段の期待はしていなかったのだけれど、その通りだったというかなんというか。
以下バレありです。辛口です。この作品を好きな人にはごめんなさい。
自分にも子どもがいるので、子が母を失ったら、母に捨てられたら、というシチュエーションには思うところはあるが、主人公である少年ロボットがあまりにもロボット然としていてにんともかんとも。
作中では「心を持ったロボット」という設定になっているが、実際には「母への執着」を強固にプログラムされたロボットでしかない。一番人間らしくないと思うのは「悩まない」ところ。愚鈍に母親を信じ、それを追い求める。最後には「まがいもの」の母親で満足してしまう。確かに人間の子どもにも率直で愚鈍なところはある。しかし現実の子どもは、子どもとして悩み、矛盾し、我侭を言い、それでいて親の愛を求める存在だと思う。この子どもロボットには最後の「愛を求める」部分しかない。人間らしくない。自由意志を持ったというよりは、目的に対する手段をより広範囲に選択できるシステム、に過ぎないといった感じ。
それに、この子どもロボットに意思があるというのなら、彼を助けると「自分で決めた」ジゴロロボットや、子どもロボットを助けるために「捕らわれたロボットの中に人間の子どもがいる」と「嘘」をついたクマロボットにも意思があることになるのではないかと。
あと気になったのは、子どもロボットが自分と瓜二つのロボットに出会ってそれをぶち殺してしまったところ。出来事自体ショッキングなんだけど、その出来事に対して何のフォローもない。まるで何事もなかったように話が進む。すごく不自然で気持ち悪い。この場面が子どもロボットが唯一「悩む」場面だと思うのだけれど、完全にスルーしてしまっている。テレビ放映だったから時間の関係で削られたのかもしれないけど。
SFとしてもにんともかんとも。あれだけのロボットが存在する世界なのに、アナログに野良ロボットを追いまわしたり、ロボットの居場所の捜索に手間取ったり、ロボットが記録回路を保持してなかったり、犯罪者ロボットを機能停止せずに連行しようとしたり、半自動操縦のヘリが建物にぶつかりまくったり、うーん……。ファンタジーだということはわかっているつもりなので、とことんリアルなSFにして欲しいとは言わないが、せめてもう少し矛盾が気にならない作りにして欲しいなあ、と。
あーネガティブな感想書いちゃった・・・。