- 出版社/メーカー: 日活
- 発売日: 2005/07/08
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いやーもう、なんていうか、こてこてのB級臭ぷんぷんのファンタジー映画。エルフやらドワーフやらが出てきて「ロード・オブ・ザ・リング」とカブるけど、「似てる」と言うのも憚られるくらいの作品。でも最後までちゃんと見ちゃいましたよ。
まず映画としてのデキ。確かにドラゴンが飛んでるところなんかはそこそこ良く作られてる。でもドラゴンの歯が明らかに発泡スチロールだったり、剣で戦うシーンで無駄に剣が赤や青に光ったり、どうも拍子抜けするシーンが多い。ストーリーとしても極めて単純。お遣いイベントを繰り返して敵に裏をかかれて(裏というほどの裏でもない)、クライマックスで敵と対決。いやーもうコテコテすぎて脂ぎってくる。
そしてキャラの弱さ。そもそも悪役が一番最初のシーンから悪役として登場するし。こいつ倒せば終わり、ってのが始まった瞬間にわかってしまう。他のキャラもなんだか中途半端。主人公は強いんだか弱いんだか正義感があるんだかないんだかよくわからん顔も目立たない青年。ヒロインも魔法使いのくせにほとんど魔法を使わない足手まとい(なんか魔法を使うには粉がいるらしい)。このヒロインが、最後まで眼鏡かけてたら良作と言えたかもしれないが・・・。他のキャラもねえ。ドワーフって登場する意味あったの?? みなさん演技も微妙な感じで・・・。
もうひとつの着眼点は、これが「ダンジョンズ&ドラゴンズ(以後D&D)」の名を冠しているということ。昔からゲームをしている人なら少なからず聞いたことはあると思うが、テーブルトークの先駆け、すべてのテーブルトークゲームの根源とも言うべきゲームが「D&D」だ。「指輪物語」を元に作られ、プレイヤーがそれぞれファンタジー世界の住人を演じる。ロールプレイングゲームの先駆けとも言えよう。後にそのシステムはコンピュータゲームにも導入され、ウルティマやウィザードリィを生んだ。
私も子どもの頃、なけなしの小遣いをはたいて赤箱買いましたよ。最終的には青箱だか緑箱だかまで買ったけど、けっきょくやりこんだというほどはやっていない。ルールが複雑で子どもには少々難しく、プレイしてくれる人がなかなか集まらなかったゆえに。
閑話休題。
しかし、この映画は全然「D&D」してない。確かにドラゴンは出てくる。しかしD&Dのドラゴンというのは、最強にして絶対。知的でかつ何者にも冒さざるべき存在。それはちょっと言いすぎかもしれないが、あんなにワサワサ飛んで空中戦を繰り広げるような安っぽい存在ではない。
それに、冒険という意味でもちょっとずれている。D&Dの冒険というのは、もっとこじんまりとして局所的。一介の冒険者が依頼を受け、あるいはトラブルに巻き込まれて冒険に出る。国や政治と直接的に関わる話はD&Dらしくない。いやもちろんキャラが成長していけば国やら世界やらに関わるイベントにも絡んでいったりもするのだろうが、駆け出しのチンピラが世界を救う、ってのはやはりD&Dらしくない。いやこれが一般的な印象かどうかは知らないが、少なくとも私はそう感じた。
媒体 テレビ もう一度見たい × 劇場で見たい × 最後まで集中して見れた ×(なんかいろいろ気になる) 他の人にも薦めたい × 印象的なモノがあった × マニアック ×
以下、ラストについてのネタバレあり。
しかしなんといっても納得いかないがラストバトルとエピローグ。杖、あんなに簡単に壊せるのなら、受け取った瞬間に壊せよ。で、主人公はドラゴンを使役することが自然の調和を崩すからしない、と言っているのに、最終的にはドラゴンを使って片をつけますか?
そして衝撃のラスト。なんだあれ? わけわかんね。みんなお星様になっちゃいました、ってことか?
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