コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

加藤洋之&後藤啓介作品

オークションでカトゴトこと加藤洋之(現・加藤龍勇)&後藤啓介の本を2冊ほどゲット。ほとんど絶版だからオークションか中古でしか手に入らないのよね。これで2人合作の作品は「夢幻郷戦士エリア」と「めたもるふぉん」以外は揃ったかな。

流れるような柔らかい線と胸を突く造形、奇抜な具象と非具象の組み合わせ、無秩序のようでいてテーマがあり、テーマがありながらも常識に捕らわれない、そんなイラスト。改めて入手した本を見てみたけれど、やっぱこの人たちのセンスは凄いです。クリムトミュシャビアズリーあたりの影響を感じさせつつも、継承するだけでなく、彼らだけにしか描けない機械と自然と人と幾何学模様の融合を見事に果たしている。

とゆーことで各作品をざっと紹介してみようかな、と。


トーランドットの錬金術師

トーランドットの錬金術師


コミック。ほぼ白黒。カトゴトというとイラストというイメージがあるが、実はマンガも描いている。コマ割りされた、噴出してセリフを喋る作品もちゃんとある。ただ彼らの作品の場合、マンガというよりはやはりコミックと呼ぶのがふさわしいような気がする。表題の「トーランドットの錬金術師」はセリフのないコミック。個人的には大人っぽい無機質な雰囲気の「OXID MUSIC」が好き。



一番最初のイラスト集。カラーが多い。小説や雑誌の表紙用の絵と、この本のための書き下ろしを集めた本のようだ。テーマごとに集められた各イラストに独特の名前がついていて、単なる挿絵集に留まらない。最初のイラスト集なのに、カトゴト独特の造形的なセンスは既に完成されている。テーマごとにまとめられているのと、各画にオリジナルのタイトルがついていることで、見る側の意識がいい意味で制約され、絵の物語を想像しやすくなっている。彼らの原点にして本質を表すイラスト集。


ギョロス大帝の創音機械

ギョロス大帝の創音機械


コミック。ほぼ白黒。「トーランドットの錬金術師」と本の形式は同じ。表題の「ギョロス大帝の創音機械」はコミックというより、コマワリされた絵本のような感じ。他にも何本かのコミック。この人たちの描く絵は、かわいいから綺麗まで、物語ごとにものすごく印象が変わる。


東京夢漂流

東京夢漂流


コミック+イラスト。白黒多し。大判だがけっこうページ数が多い。この本では「可愛い系」の絵の物語が多いかな。ネコとか。


光脈水焔譜―加藤洋之・後藤啓介画集

光脈水焔譜―加藤洋之・後藤啓介画集


イラスト集。カラー多し。小説の表紙など。オーラバトラー戦記とかまさかなとかラファシ伝とか。「Factlily」のようなカテゴリ分けはなく、タイトルも掲載された作品名になっている。わかりやすくはあるけど、想像力の幅はちょっと狭いかな。「Factlily」の頃に比べてパステル調の優しい絵が多くなっている。



ラストストーリー。ほぼ白黒、というか白緑。イラストに物語が描かれている、ある種の絵本のような感じ。メインの「ANOTHER GREEN WORLD」はネコ人を主人公にした長い長い物語。カラーで見てみたい。


ハーフウインド ハーフクリスタル―風晶

ハーフウインド ハーフクリスタル―風晶


ラストストーリー。カラー多し。イラストの脇に2、3行の短いストーリーがつく。ストーリーが書いてないイラストも多く、絵本というよりはイラスト集と言うべきかな。全体的にかなりパステル調。