コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

言葉が与える腐敗と死

とりとめもなく、落ちもない話だが。

言葉というのは残酷なものだ。概念に名を与えてしまう。名が与えられた概念はその時点から時の流れに組み込まれ、腐敗しはじめる。その言葉が広まれば広まるほど、腐敗の速度は増す。「萌え」は(使い始められた当初とは違う意味で)口にするのも恥ずかしい死語となっている。「ツンデレ」や「セカイ系」「メガネっこ」なども使い古されてボロボロだ。ひっそりと息づいてきた概念たちが、言葉を得てメディアで使われはじめると同時に大衆消費の枠組みに放り込まれ、死んでいく。「アルファブロガー」とか「WEB2.0*1なんて言葉もすぐに「古い言葉」になってしまうんだろうな。

その言葉の腐敗が一番顕著だったのが「電車男」という言葉だろう。あらゆるメディアで取り上げられ、様々な作品にまで昇華されることにより、それは口にするのも憚られるような陳腐な言葉・・・概念になってしまった。

言葉は概念に力を与えるものであると同時に、概念をしばりつけ、時の流れの中に放り込む呪いでもある。


以前に友人とそんな話をしていたことを思い出した。

*1:ぶっちゃけ意味よくわかってないけど。