週刊少年ジャンプで「ライジングインパクト」「Ultra Red」を連載していた鈴木央が「ウルトラジャンプ」で連載しているファンタジー漫画。チビで弱っちい機工士の主人公ホークと、美人でむちゃくちゃ強くてむちゃくちゃ我侭な女剣士ダリアとの冒険譚。作者の趣味ばりばりの、チビ美形+オネーサンコンビ再来である。
今までスポーツ物ばかりだった鈴木央がはじめて描く冒険物。この人の絵はファンタジーものが似合うのではと前から思っていたが、本当に書くとは。さらに予想外に血や残酷シーンが多いのが驚きだった。巻末から次巻にかけては性的なシーンも入ってくるようなので、綺麗な過去作品が好きな人には受け入れにくいかもしれない。
生と死を扱うこの作品のテーマは深い。鈴木央がこのファンタジー世界を使って、人間と社会の矛盾をどこまで描けるのか。彼の漫画家としての手腕が、いままでになく強く試されていく作品だと思う。
最後に、これらの作品(今度からサンデーで週刊連載もはじまった)をアシスタントと2人だけで書き続けるバイタリティは凄まじいと思う。