コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

ワンワンとニャーオ

うちの子も、犬や猫の絵や写真を見ると「ワンワン」とか「ニャーオ」と言えるようになった。しかしまだ両者の区別がついてはいないらしく、犬を見ながら「ニャーオ」と言ってみたり、猫を指差しながら「ワンワン」と言ってみたりする。

大人にとってみれば犬と猫の違いなど一目瞭然なのだが、子にとってはまだそうではないらしい。そこで子に犬と猫の違いを教えてみようと思うのだが、そこで戸惑った。犬と猫の違いって何だろう。見ればわかる。しかしその見た目の違いを言葉で表現するというのは案外に難しい。

耳がとんがっているのが猫。といっても犬にも耳がとんがったものがいる。顔が丸いのが猫で、顔が長いのが犬。たしかにそうだろうが、毛の長い猫などは顔の輪郭なんて見えないし、顔が丸っこい犬もいる。それでも大人は犬と猫を明確に判別できる。猫の虹彩は縦長。確かにそうだが、そんなところはで見ずとも犬猫の違いはわかる。

子も、イラストのような犬猫の特徴をはっきり示したものであればだいたい見分けがつくようだ。しかし毛の長い猫や、仔犬などはまだ見分けがつかないっぽい。犬猫の見分けはけっきょくのところ、経験的、感覚的なものと言うしかないのだろうか。


もうひとつ面白い点。子は犬と猫のみわけはつかないくせに、かなり抽象的なイラストなどを見てもそれを犬や猫として認識できるということ。どこでどうそのイメージと実物が結びつくのかわからないが、イラストなどを見てもちゃんと「ワンワン」とか「ニャーオ」と言う。オモチャや置物もしかり。アニメーションもしかり。物の認識とは、物そのものではなく、特徴抽出によって行われている、ということだろうか。

もっと面白いのは飛行機。飛行機を見ると「ブーン」と反応するのだが、はじめて紙飛行機を作って見せたときにも、それを手にもって空中でひらひらさせて「ブーン」と言っていた。紙飛行機にも確かに翼があり、飛行機が持つ特徴を持っているが、それを見て「ブーン」だと認識するとは。子供の認識力、侮りがたし、である。