コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

姑獲鳥の夏、映画化

昨日、病院での待ち合わせ時間が長かろうということで、買ったままでずっとほったらかしにしておいた、京極夏彦の「陰摩羅鬼の瑕」を持って出た。ここしばらく小説など読んでいなかったのだが、読み始めると京極作品はやはり面白い。

姑獲鳥の夏 (KODANSHA NOVELS)
京極つながりということで今回は「姑獲鳥の夏」の映画化の話。

元々京極夏彦の小説は非常に視覚に強く訴えかけてくるもので、文章を読んでいるだけなのに、思い返すとなぜか絵が浮かんできてしまう。そういう意味では映像化しやすいものなのかもしれない。実際にいままでにも「嗤う伊右衛門」や「巷説百物語」など、いくつかの作品が映画化、アニメ化されてきた。そして今回、京極夏彦の出生作であり、代表作でもある京極堂シリーズ「姑獲鳥の夏」の映画化が決まった。

「やっとか」という気持ちとともに、「とうとうか」という気持ちもある。嬉しい反面、不安も大きい。小説の映画化というのは難しい。個々の脳内にあるイメージを、想像の余地のない映像にしてしまうわけだから、脳内イメージと齟齬を生じたり、期待はずれとなることも多い。「姑獲鳥の夏」の奥深さ、雰囲気を果たして映画で表現できるのか。

ひとまずキャストから見てみたいと思う。私の勝手な判断や希望も含めて。(ここに写真あり)

堤真一中禅寺秋彦京極堂
仏頂面、という意味ではそこそこいけそうな気がするが、「芥川龍之介のような凶相」とは少し違うような。写真を見る限りでは和装が似合っていない。陰陽師装束も似合わなそうだが果たして。もう少し落ち着いた感じの役者の方がよかったような気がする。佐藤浩一とか佐野史郎とか。しかしそうなると少し年零層が合わないか。あ、忘れてた豊川悦司なんかいいかも。仏頂面最凶。
永瀬正敏(関口巽
うーん、わからないでもないけど、この人はテンション高いイメージがあるので、もっと陰鬱で神経質そうで人付き合いの下手そうな感じの人の方がいいような気がする。萩原聖人とか吉岡秀隆とか。
阿部寛榎木津礼二郎
これははまり役だと思う。背が高くて西洋人ぽくて俺様なキャラとしてはばっちり。髭は剃るのかな。髭ありだと少しイメージが違う。唐沢寿明がもう少し背が高ければ、それもまたはまり役になれたと思うのだが。
宮迫博之木場修太郎
こーれはありえないっしょ。顔が四角でいかつい刑事役がなぜに宮迫!? シリアスキャラでもないし、強そうでもないし。やるなら鳥口役だろ。木場は私の脳内イメージでは赤井英和なんだよね。
原田知世(久遠寺涼子/久遠寺梗子)
わからなくはないけど、もっと艶のある女優さんの方がよかったような。原田知世ってあんまり色気感じないんだよね。後半の狂乱でもインパクト薄くなりそう。じゃあ誰がいいんだ、と聞かれると困るけど。個人的には和風美人といえば緒川たまき。彼女なら穏やかな日本女性から狂乱まで演じられると思うし。でも久遠寺姉妹のイメージとはちょっと違うか。

他のキャストは、いしだあゆみ、田中麗奈、すまけい、清水美砂篠原涼子だそうで。田中麗奈篠原涼子はちょっとどうなんだろ。あの時代設定には合わないような気がする。田中麗奈出すくらいなら、安藤希とか出せばいいのに。清水美砂篠原涼子京極堂と関口の奥さん役かな。清水美砂はわかるけど篠原涼子はちょっとねぇ。

というわけで、キャストだけ見てると期待よりも不安が募ってきてしまう。横溝正史的な映画にしたいという話だが、果たして果たして。

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