コトバノウタカタ

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DEATH NOTE - 第1部完

DEATH NOTE (5) (ジャンプ・コミックス)
第1部完。そしてジャンプ20号より第2部再開とのこと。

ネタバレ注意。


話が続くことに批判的な意見もちらほら聞こえるが、ジャンプ誌上において「殴り合いのないトリックバトル」がこれほど熱く繰り広げられたことがいまだかつてあっただろうか。いや、ジャンプに限らず、こういう類の知略合戦ってなかなかない。ほころびや矛盾や気になるところが多少あると言えど、じゅうぶんに面白いし、静かに熱い。


そして次なる展開。メロとニア。ひとりは内向的な感じ、もうひとりは社交的で活発な感じの少年。Lひとりでは補いきれなかった隙や欠陥も、この対照的な二人いればかなり塞げるはず。それはLと月のコンビにも通じる。なんかワクワクするぞ。

延命措置と言われるが、バトル漫画の「さらに強い敵が!」とは意味が違う。月にとっては敵となるわけだが、正義の側から見れば主役交代。それにこの流れはあらかじめ想定されていたものではないかという気がする。気がするだけだけど。少なくとも「多重人格探偵サイコ」よりは話がまとまっていると思う*1


しかしL死亡が確定してしまうと、Lと月のドツキ合いが酷く懐かしく感じられる。ああやってLに、そして読者に、善良なる月の面を植え付け、信用させておいて一気に落とす。それは大場つぐみの策略でもあり、月の策略でもあった。重いなぁ。

いろいろ言い訳してみたいところもあるが、今回は確かにLの完敗だろう。後半、Lは月や海砂への監視を怠り、きちんと対策を立てず、結果殺された。月の裏を暴く機会は何度でもあった。海砂にこっそり監視をつけていれば、リュークのデスノートを見つける現場を抑えられただろうし、そもそも月を信用してデスノートを手渡したりしなければ記憶が戻ることもなかった。Lにしてみれば驚くほどの杜撰さ。しかしそれも、(L自身は認めないかもしれないが)次第に生まれていた「Lへの信頼」ゆえにだとしたら納得できなくもない。疑いながらも「仲間」としての意識が芽生えていた。Lにそんな感傷などないような気もするが、後半の手抜きはそうでもなければ説明できない。そしてそれもまた、黒月の計画の一部であった。そうであるならやはりLの完敗であろう。


メロとニア。まだどうなるかさっぱりわからないが、なんとなく期待できそう。

しかしLの素性はわからないままとはいえ、ワタリの正体が割れたことで、月もメロニアへとたどり着く手がかりを得たと言える。また月には「死神の眼」を持った海砂もいる。警察もバックにつき、Lの肩書きも手に入れた。一方でメロニアにはデスノートに関する情報はない(Lがどこかに情報を残している可能性はあるが)。メロニアが優位なところといえば、その存在をまだ月が知らないという点。さてはて。メロニアはどうやって黒き神を殺すのだろうか。

追記

Lの名前はわからないんじゃなくて、エルってのが彼の本当の名前だったのではないでしょーか。だってメロにニアだもん。でもLは日本人っぽかったけど(偽名も全部日本名)、メロニアはそれっぽくないなぁ。孤児院だからいろんな人種の子がいるのかな。

関連サイト

*1:サイコも好きですよ、もちろん。