コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

魔法少女隊アルス見た

ひとまず2巻まで見た。予想通り、というか予想以上に面白い。気持いい。

内容は聞いていた通りファンタジー魔女っ子モノなのだが、いわゆる魔女っ子モノとは明らかに違う。雨宮慶太の作り上げた奇抜な世界の中を、STUDIO4℃の技術力で描かれたキャラクターたちが飛び回る。それを見ているだけでも凄く気持ちいい。誤解を恐れず言えば、異世界、スピーディーな展開、空を飛ぶ描写、そして快活な主人公、というあたりが宮崎アニメ、特に「未来少年コナン」や「天空の城ラピュタ」を連想させる。

物語としては子ども向けなので多少青臭いところもあるが、子ども騙しでは決してない。まだ序盤なのでこれからの展開はわからないが、全体的にシリアス目の話のようだ。一方で変な親父ギャグなどの笑い要素も入って、ちょうどいい感じで息抜きもされている。


このアニメは「アクレコ(アクターズ・レコーディング)」という手法を用いて作られているとのこと。アニメを作るときには普通、絵を作ってそれにあわせて声を入れるが、アクレコの場合は先に声をとってから、それに合わせて絵を作っていくらしい。

声にあわせて動きを作る「プレスコ」という技法は昔からある。「AKIRA」やディズニーアニメでも使われている。このプレスコとアクレコの違いはよくわからない。プレスコの場合は録音前におおよそのカットやキャラの動きは決まっていて、声に合わせて口の動きなどを作っていくが、アクレコの場合はプレスコよりももう少し突っ込んで、取った声からカットやシーンなどを考えていく、という感じになるのだろうか。

ちなみにこのアクレコという単語で検索してみたが、アルス関連でしかヒットしなかった。本当に新しい手法なのか、それともアルスのために作った造語なのだろうか。

しかしその手法のおかげかどうか、確かにキャラの動きや台詞のテンポが絶妙。一方で、声から絵を作るというのはやはり負担が多いためか、注意して見ていると喋っている人が映っていないシーンや、引きで撮っているシーンも多い。しかしそれが非常に自然に表現されていて、手抜きには見えない。特に引きの場合は、人が見えない反面、雨宮慶太の描いた世界がじっくりと描かれるので、そちらに目がいって人がどうたらなんてことが気にならない。これが現代劇だと遠景を使うというのは辛かったかもしれないが、独特な異世界というのが上手く生きている。


この先の話も期待大。「エルゴプラクシー」のときにも書いたが、このテンションがどこまで続くか、というのが気になるところではあるけど。ともかく今見ている限りでは、これは当りアニメだと思う。

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