コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

DEATH NOTE 最終回

終りました。綺麗に完結。でもなんだか物足りない。最後にドスンと何か一発、嫌な余韻を残して欲しかった。違うな。嫌な余韻を演出してはあるんだけど、それが物足りない気がする。


早いけど以下ネタバレ。


魅上とメロについて、読者が感じていたような疑念が松田の口から語られる。ニアが魅上をデスノートで操っていたのではないか、メロもまたニアの手のひらの上で踊らされていたのではないか。どちらも結論は出ない。こういう余韻は嫌いじゃない。

でもメロについて、ニアが「メロのおかげ」と言った言葉には一片の真実が込められていたと思う。なぜなら、ニアがチョコ食ってるから。


そしてラスト。どこかの山に集まる行列。そして先頭には少女。死神の眼をもってキラの名を唱える?

これって海砂? それとも別人? そこのところがわからなかったけど・・・。

キラが求めていた理想は一部の人々によって強く受け入れられ、それが宗教のようにまでたかまっているという表現。恐怖による支配のためではなく、自分たちの理想としてキラを求める人々。並ぶ人々が善良で弱弱しそうな顔ぶれ、さらには老人や子どもも含む集団。そういう表現としての意味は深いと思う。

しかしキラは最終的には理想ではなく権力に取り憑かれた者になり下がってしまった。キラのその真実の姿を知らずして信望するというのはいささか滑稽なような気もする。が、キラという存在が夜神月の存在を越えた理想的な概念となって彼らの信仰を集めているとも言えるか。

さらに、誰がどういう方法でその力を得るにしても、キラを目指してその力を行使する限り、キラの知略と狡猾さを越えることは到底できないという気がする。つまりニアにとってキラ以上の脅威になるとは思えない。ゆえになんだかちょっとラストが弱い気がするのだよね。


ともかくお疲れ様でした。作品としては十分に面白かったと思う。特に終盤のキラとニアの対決の盛り上がりはなかなか興奮した。ジャンプ作品として異質を貫き通し、クオリティとテンションを維持しつつ、しっかりと終わりを迎えたことを評価したい。

追記

有無さんところ、SnowSwallowさんところで、全編を通した深い考察、納得のいく解説がされていました。