コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

「零 紅い蝶」 セカンドインプレッション ゲーム性に殺された恐怖感

ほぼ愚痴です。


まだクリアはしていないのだが・・・。

プレイしていてホラーゲームとして致命的な問題があることに気付いた。それは「経験値」。このゲーム、敵幽霊をカメラで撮影して倒すと経験値が入る。しかもベストショットを撮るとボーナスポイント。敵を上手に倒せば多くの経験値が溜まり、カメラを強化できる。

裏を返せば、敵をうまく倒せなければいつまでたってもカメラを強化できない。カメラが強くならなければ敵をうまく倒せない。その悪循環で、後になればなるほど戦闘が辛くなる羽目に陥る。さらにはフィルムには限りがあるので、ミスショットや弱いショットを連発できない。結果、とにかくベストショットを狙うことを強いられる。敵を引き付けて攻撃される寸前によけて振り返って撮影。そんなことをやらないといけない。

こうなるともはや、敵は経験値にしか見えなくなる。サイレントヒルのように無視して素通りすることも許されない。幽霊怖いどころではない。

その上、暗い。ホラーゲームなので暗いのは当たり前なのだが、暗い上に敵が半透明なので非常に見づらい。しかも場所によっては演出に凝りすぎたカメラアングルのため、敵の姿がほとんど見えない。あるいは非常に狭い部屋で、まともによけたり逃げたりできないこともしばしば。そんな状況でもベストショットを撮らなければいけないが、そんなことをやっているとダメージ受けまくる。怖いというより、うざい。


戦闘だけではない。要所要所で無害な霊が出てくるのだが、これもまた撮影すると経験値が入る。なので、怖いとかびびったと言っている間もなく撮影しなくてはならない。しかし出現するのはたいていほんの一瞬なので、知っていなければとても撮影などできない。


戦闘でダメージを受けすぎたり、ベストショットを撮れなかったり、出現した幽霊を撮影できなかったりすると、リセットしてやり直してしまう。そんなことをやっていると本当にもう「ホラー怖い」などとは思えなくなってくる。


ゲームとしてはよくできていると思う。しかし戦闘と経験値システムがホラーの怖さを削いでしまっていると言わざるを得ない。ゲーム性を追及するあまり、ホラー性が弱くなってしまった。コンセプトはいいのに、ちょっと残念。

零 ~紅い蝶~ PlayStation 2 the Best

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