コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

「アンフェア」

アンフェア DVD-BOX
いまさらながらようやく最終回まで見ました。世間ではけっこう盛り上がってたようで。推理ものにしてははちゃめちゃでツッコミどころは多かったけど、エンターテインメントとしてしっかりと面白かった。キャラも立っていたし、ストーリーも「どうなるんだろう」と思わせる吸引力があった。役者も個性派ぞろいで、いいドラマだったと思います。


以下、ツッコミどころを探してしまうのは性ということで、気になったところをば。ネタバレあるよ。

  • 牧村が使っていた銃を調べた形跡がない。調べたら蓮見のものだとすぐわかるはず
  • 雪平が人を射殺しすぎ。ハイジャックでもあるまいし、撃つにしても普通は肩や腕を撃つんじゃないのかな?
  • 数日間ずっとオペレーターが蓮見一人しかいないってのはありえない。交代するっしょ
  • 警察署の備品倉庫を数日間誰も使わないなんてことあるのかな
  • 美央が狙われるのはわかっているのに、護衛がついてなかったり、安藤ひとりしかついていなかったり
  • 佐藤が容疑者になっているのに、娘に見張りが誰もついていない。会いに来る可能性が高いのはわかるはずなのに
  • 佐藤が容疑者になっているのに、雪平に見張りがついていない
  • けっきょく事件の真相に辿り着いたのは雪平じゃなくて佐藤じゃん

追記

  • 蓮見が佐藤宅にハイヒールのまま忍び込んでる。そんなん証拠残しまくりで完全犯罪から一番遠いだろ、と
  • 雪平は身内にはアマアマでアンフェアなのにそこに対する突っ込みが一切ない


ちなみに相方は見る前に友人から真犯人を聞いてしまっていた。私は前知識まったくなしで見初めた。1話が終わった時点で相方に「真犯人誰だと思う?」と聞かれ、とりあえず答えた名前が本当に真犯人だった。ちょっと自慢。っていうか「ポートピア連続殺人事件」?


雰囲気としては「ケイゾク」に似ているところもあるが、決定的に違うのは「真犯人が人間として描かれている」ということ。真犯人を単なる殺人鬼として描くのではなく、凶悪な殺人を行いながらも揺れ、迷い、苦しむ人間として描いていた。絶対悪ではなく、タイトル通り「アンフェア」を追求し罰を下そうとするひとりの人間として。そこがドラマ性を深めているのだろう。相方なんて最終回見ながら泣いていたしね。

その人間臭さゆえに、真犯人を疑うことを難しくしていたかもしれない。美央への優しさや雪平への気持。それが嘘偽りではなかったがために、視聴者は混乱した。真犯人とともに。相方も犯人を知っているがゆえに、最終回直前の回を見ながら「なんであんなことになるかわからん」というようなことをぼんやりと言っていた。(そのときはまだ真犯人が誰か聞いていなかった。その一言でほぼ確信したけど。)

しかし騙されてはいけない。真犯人は多数の「無関係な人間」を雪平への復讐のためだけに殺している。殺さずとももっと効率的な復讐方法はあっただろうに。もちろん被害者たちはなんらかの「悪」をなしてきた者たちであり、その「悪への罰」という意味もあったのだろう。それにしても殺されるほどのことはやっていない人もいる。事件の顛末だけを聞けば同情の余地もないくらいに残虐非道なのだから。


世間では「続編が作られるのでは」という噂が囁かれているようで。雪平の父親を殺した犯人が判明していないし。安藤が送ってきたパソコン・・・とか、なんか続編への伏線ぽい・・・。


しかし篠原涼子はすっかり役者になっちゃったなあ。東京パフォーマンスドールというアイドル集団にいたことなんて、今の若い人たちは知らんのだろうな。