コトバノウタカタ

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乱婚と浮気

そんな驚きの学説を発表している先生は、中込弥男さん。なんとこのお方、日本人類遺伝学会の元理事長だったりする。そんな中込さんの学説は簡単に言えばこうだ。哺乳類のオスは多くのメスと交尾したがる「乱婚型」と、浮気をしない「一夫一婦型」に分かれ、浮気癖はその人の持つ遺伝子によって左右されるんだそう。そして、なんと「一夫一婦型」は少数派で全体の5%、と驚くべき数値に。よく聞く「男は浮気するもの」というセリフはこんな情報を踏まえてのことだったりするのかも。

via: id:SnowSwallow:20060303:1141335698


こんなことまでゲノムで決まる―人生をあやつる30億文字の暗号
興味深い話ではあるのだが、「男の浮気は本能だ」という言葉を否定してきた身としては捨て置けぬ話で。中込氏の著書を直接読んだわけではないため伝聞でしか語れなず、あるいは誤解があるのかもしれない。上記ニュース記事の内容に対する違和感ということで。

まず「乱婚型」という表現。これ「乱婚」であって「浮気」ではないよね。ってこれは屁理屈か。また「一夫多妻」ではなく「乱婚」と書いてあることから、これがオスにのみ見られることではないと思われる。

次に95%という数値。上記文章から見るに、「一夫一婦型」は「哺乳類全体」の5%ということと読める。これは人間がどちら型か、とか人間の中でのパーセンテージが示されているわけではない。人間もそのまま95%が「乱婚型」というのはちょっと無茶な解釈なのではないかと。また繰り返しになるが、これはオスに限定された数値ではない。なので「95%の男は浮気癖の遺伝子を持つ?」というニュースのタイトルはいささか言い過ぎかな、と。


で、この話からすれば浮気(乱婚)は「本能」ではなく「遺伝子」による個人の特性という話になる。

「遺伝子」を浮気の言い訳にするような相手なら「薬を打たない限り一生治る見込みがない」として見切りがつけやすくなるかも? でも遺伝子を言い訳にするというのもちょっとどうかと思うけど。「盗みをしたのは遺伝子のせいだから仕方がない」「人を殺したのは遺伝子のせいだから仕方がない」なんてのが通用するかどうか。ま、結婚していなければ浮気は法律で禁じられているわけではないので、ちょっと極論だけれども。*1

ちなみに人間の性格の三分の二は遺伝子で決まり、あとの三分の一は教育や環境によって決まるということ。この三分の一がいわゆる理性ってやつになるのかな。浮気をするしないは第一段階は遺伝子、第二段階は理性の強さで決まる、ということになるようで。


しかしマウス実験で、一夫一婦型の遺伝子を注入したら浮気しなくなった、という話は面白いなあ。石田純一辺りで試してみて欲しい。

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*1:まあこんなことを言っていられるのも、浮気をしたことがない/そもそも浮気をする甲斐性がない/それ以前に浮気できるほどモテないからなんだろうけど。