- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ / ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2004/10/08
- メディア: DVD
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アクション控えめ、ドラマ多め。
キルビル後編。かつての恋人でありボスであるビルに頭を撃たれ、奇跡の生還を遂げて復讐に突っ走る女、ブライドの物語。Vol.1で二人の仇を倒し、Vol.2はその続き。今作は前作に比べドラマ性が増し、反面アクションが抑え目の作品になっている。
短絡的な感想を述べるなら、前作の方が見ていて単純に面白かったなあ、と。今作はドラマ性重視ということはよくわかる。ただやはり全体的に少し間延びしている感は否めない。というより、前作が怒涛のアクションだったのでその印象が強すぎるのだ。前回、何十人もの相手と戦ったのに比べ、今回実質戦ったのは数人。そのうち半分も倒してない。アクションだけがタランティーノ映画ではないが、前回あれだけのものを見せてくれたのだから今回はそれ以上のものを、と望むのは仕方ないだろう。とはいえ、今回のストーリー展開でド派手な乱闘ばかりを差し込むわけにもいかなかったのもわかるが。
まず気になったのが導入。車を運転するブライドのモノローグからはじまるのだが、あの入り方ってどうなのよ。作品を2つに分けたがゆえに仕方なく後から挿入したというかなんというか、酷く説明的な入り方でちょっと萎えた。これなら前作のカットのダイジェストの方が・・・いやそれも萎えるか。説明なしでは不親切だが、とは言えもう少しどうにかならなかったものかいな。
媒体 DVD もう一度見たい × 劇場で見たい × 最後まで集中して見れた △(導入部がちょっと・・・、少しテンポが遅いのも) 他の人にも薦めたい ×(血みどろなので・・・) 印象的なモノがあった △ マニアック △ 余韻 △
あーなんか「×」ばっかりになっちゃった・・・。
以下、ネタバレあり。
しかし今回は最後まで戦って倒したのは2人だけ。倒すときも、あれ? と思った瞬間にあっさりと勝ってしまっている。ま、長引かせればいいってものでもないけどね。
アクションはおとなしめだったが、ブライドの超人っぷりは留まることを知らない。岩塩のショットガンで胸を撃たれた後、特に治療したわけでもないのに次の日には血も止まっているし、平気で格闘しまくってる。まさに超人。
悪いところばかり書いてもいかんな。キドー(ブライド)がビルに会った瞬間の驚き。見ている方も驚いた。娘が生きていたとは・・・。でもこれ、予告ではモロに言っちゃってたんですな。Vol.1の最後で言ってたっけ?
優しくもあり、残酷でもあるビルの仕打ち。ズルイと思うと共に、切ない。ビルはあそこにキドーを招いて、どういう結末を望んでいたのだろうか。殺し屋同士、決着をつけざるを得ない宿命を変えられないことはわかっていただろう。しかし戦わずに親子三人で平和な家庭を築くこともまた夢見ていたのではなかろうか。
しかしビルはブライドに言う。「お前は生まれついての殺し屋だ」と。「平穏な生活は、その振りをしているだけに過ぎない」と。それはブライドへの言葉であると同時に、ビル自身への言葉でもあったのだろう。愛する女とその女との間の娘がいてもなお、その女と殺し合いをしなければならない。それは自ら作り出した怨みゆえ、自ら招いた宿命ゆえ。そしてそれは、己が殺し屋だから。
だからビルは戦いを止めようとは言わない。許してくれとは言っても、三人で平穏に生きようとは一言も言わない。それが不可能なことをわかっているから。キドーを無力にしておきながら、そこで殺そうとさえしない。最終的に不意打ちから戦いに入ったが、しかし正面からキドーの剣を受け止めている。ビルは「殺されるつもり」はなくとも「殺される覚悟」はしていたのだろう。
最後、五点掌爆心拳でビルにとどめを刺すキドー。確実な死を目の前にしてゆっくりと語るビルが切ない。ここで一瞬で死を迎えるのではなく、死への猶予を与えるというのは上手い演出。
アクションだけで終わる映画かと思っていたけど、最後の最後でドラマ性を強く見せていた。でもVol.1とVol.2、どっちが面白かったかって聞かれたらやっぱVol.1と答えてしまいますよ。
それと、シェイクスピアを越えた、ってのはちょっと言い過ぎだろ(メイキングで役者が言ってた・・・)。
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