コトバノウタカタ

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ヤコブ病:米アイダホ州で6件発生 5人死亡

ロイター通信は12日、米アイダホ州で今年2月以降、牛海綿状脳症(BSE)の病原体によっても生じる「クロイツフェルト・ヤコブ病」とみられる症例が6件発生したと報じた。全員が60歳以上で、隣接する地区に住んでおり、うち5人は既に死亡している。


 州政府は「自然発生によるもので、BSEの牛を食べたためではない」と説明した。しかし、自然発生は100万人に1人の割合とされるヤコブ病が、人口140万人の同州で6件も多発した理由については不明なままだ。


 米疾病対策予防センター(CDC)によれば、米国では年間300件近いヤコブ病患者が出ている。集団発生としては、88〜92年、ニュージャージー州の競馬場に勤務もしくは通っていた13人が死亡した例がある。

アメリカのBSE問題はけっきょく有耶無耶のまま、米肉輸入解禁の方向へ向かっているようだが、米国内ではこんなことが起きている。自然発生というが、140万人の州で6にんということは、通常の5倍程度の発症率。普通ではありえない。そもそも何を根拠にBSE肉が原因ではない、と言っているのかわからないし。

人口2億人のアメリカで年間のヤコブ病患者が300人というはそれほど多くないように思えるが、実際にはヤコブ秒であってもアルツハイマーなどと診断されているという噂も聞くし。あくまでも噂なので鵜呑みにしてはならないとは思うが、その可能性を信じてしまうような状況があるのも事実だろう。

アメリカは「アメリカの牛肉は安全だ、なぜアメリカ人が食べている肉を日本人は食べられないのか」と言っていたが、アメリカ人が食ってるからといって安全であるとは言えない。アメリカは自分たちの国民さえ騙して肉を食わせている可能性だってあるわけだから。

いわんや輸出用の肉をや。


数日前にはこんなニュースが流れたばかりだ。

米農務省食品安全検査局は十五日、BSE(牛海綿状脳症狂牛病)対策として打ち出した特定危険部位(SRM)の除去規制に関して、食肉業者らの違反が二〇〇四年一月から今年五月までに千三十六件あったとの調査結果を公表した。

これも、昨年12月に消費者団体からの指摘があったにも関わらず「証拠がない」と一蹴し、それに納得がいかない消費者団体が実体調査を要請してようやく明るみに出た、という経緯がある。そこで消費者団体が突っ込まなかったらまたもやうやむやのままにやり過ごされていたことだろう。


BSE牛によるヤコブ病感染は、自動車事故で死亡する確率より格段に低いのだから、気にするのは愚かだ、という意見もある。しかし確率が低ければ無視してもいいのだろうか。殺人事件で死亡する確率は自動車事故で死亡する確率より低いのだから、殺人事件を防止したり捜査したりするのは無意味だ、という意見が通るだろうか。*1

アメリカはアメリカ産牛肉に問題があることを認識している。それは上記の二つ目のニュースで明らかになった。しかしその情報を隠し、嘘をついてまでアメリカ肉を日本に買わせようとしている。その態度がどうにも理不尽で納得できない。

私は牛肉も牛丼も好きだが、このアメリカ肉だけはどうにも気持が悪くてイヤだ。


ちなみに、アメリカは日本からの牛肉、牛由来成分を使った加工品の輸入を全面禁止していたわけだが、ここに来てようやく解禁すると言い出した。おそらく上記の除去違反の問題に対する対策なのだろうが、さすがに遅すぎるだろう。

米農務省は16日、日本からの神戸牛の輸入を再開する方針であることを明らかにした。米国はこれまで4年近く、狂牛病牛海綿状脳症、BSE)に対する懸念を理由に、日本からの牛肉輸入を禁止していた。


同省は声明文の中で、日本政府認定の食肉処理場で一定の条件下で処理された神戸牛については、輸入を解禁する方針だとした。

*1:極論なのはわかっているが、あながち外れた話ではないと思う。