コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

歌は世界を救えるか

漫画で歌を表現しても、たいていはそらぞらしく見えてしまう。漫画では歌の最も重要な要素であるリズムやメロディが見えない。描かれるのは歌詞だけ。それでは詩と同じで、歌としての表現にならない。ゆえに漫画で歌を表現するのは難しい。

しかし、ケンヂの歌はこの漫画の中で、歌としてしっかりと意味を持っている。いや、持つようになった。最初の頃はただのつまらない日常を歌っていた歌が、異常な世界では希望の歌となった。

力でも知恵でもなく、歌が世界を変えていく。気恥ずかしくなるような話だが、この漫画の中でならそれが許されるような気がする。


それにしても毎回「なにっ!」という驚きを巻末に持ってくる漫画である。続きが気になって仕方がない。