コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

ロボットの脳を作る

ロボットミュレーションゲーム。通常のロボットゲームと違い、プレイヤーは直接ロボットを操作するということはない。それぞれの特色を持った百体以上ものロボットに動作プログラムを書き込み、オートバトルで戦闘。『パンドラプロジェクト』はシューティングでもアクションでもなく、あくまでもシミュレーションゲームなのだ。


 プログラムでは、移動や射撃という動作の他、敵の情報のサーチや演算、大小比較なども扱える。それらをうまく組み合わせて戦闘に有利なロジックを組み立て、戦いに挑むことになる。

 プログラムは、本体、右手武器、左手武器と別々に設定することができ、複雑な動作も可能。

 しかし実際のプログラミングはかなり面倒。プログラミングの知識がない人には、ゲームをはじめることでさえままならないだろう。しかしだからこそ、「自分で作った」プログラムに価値が生まれ、「自分のプログラムが動いている」という喜びが生まれるとも言える。


 ロボットに関しては、動きは遅いが、それぞれに独自の動きのバリエーションと特性がある。形状としては少々古臭い。ロボットの種類は豊富。ただし、武器の種類はそれほど多くないので、性能的には似たり寄ったりのものもある。


 さて、シナリオについてだが、このゲーム、ここでかなり損をしている。最初はフリーバトルでランキングをあげ、ロジックマスターの資格を取ることが目的だ。それを達すると今度は、都市のあちこちで起きる事件を解決していく賞金稼ぎになって活躍していく。

 このシナリオ、全体を通してまったくめりはりがない。負けてもほとんどペナルティがないのだ。さらに戦闘のキャンセルが可能で、負けそうならさっさと戦闘を抜け出せる。そのため戦闘に緊張感がない。けっきょく本番の戦闘は、テストの戦闘となんら変わりがない。


 そういう粗に加え、強さと値段のバランスがちょっとアンバランス。また、ロジックは一度オールマイティなものができてしまうとあまり改良するところがなくなってしまう。

しかし難点はあるものの、一度はまり出すと、ずずずっと引きずり込まれてしまう中毒性がある。もう少し完成度が高ければ、もう少し良い評価も得られたに違いない。