コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

ゴッゴル効果


ほんの十日ほど前まではヒット数0だった「google:ゴッゴル」という単語が、現在14万弱のヒット。ほとんど鳥取市の人口と同じだけの「ゴッゴル」がネット上に溢れ返っているのである。おそるべし。

Googleの検索結果のページのスポンサーのエリアには「ゴッゴルでローン比較」とか「ゴッゴルで起業をしよう」などというわけのわからないものまでが表示されている。しかし不思議なことにイメージ検索ではひとつもヒットがない。なんだかおそろしく極端なことになっている。

ネット全体を巻き込んだこの「祭」。その結果として少なくともSOEは新しい言葉を一つ、作り上げてしまった。意味の定義のない言葉が、確かにここに生まれ、多くの人間の意識の元に共有されている。魔法の呪文でもなく、合言葉などでさえない。それだけの「意味」さえない単なる記号としての言葉が意図的に生み出され、頒布されたのだ。こんなことが果たして今まであったであろうか。馬鹿馬鹿しいが、これは言葉の観点から見ると、非常に面白い現象だと思う。

最終的に何ヒットになるのか。そしてこの壮大で馬鹿らしい実験は、どのような結果を残すのか。気になるところだ。


余談だが、「quiz」という単語の語源となった「quis」は、この「ゴッゴル」のように「意味のない言葉」として生み出されたという説がある。一晩で新しい言葉を作り、流行らせることができるかどうかという賭けをした者がいて、街中の至るところに「quis」と書いた。それが謎の言葉として話題になったことから生まれたとされる。今回のゴッゴルはまさにその現代版と言えるのではないだろうか。