コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

CUTIE CINEMA REPLAY

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少し聞き込んだのでそろそろ感想を。以前に書いたように、第一印象は「軽い」だった。その印象は今でも変わっていない。とにかく軽い。良くも悪くも前作に比べ、圧倒的にポップでチープになっている。曲調もそうだし、こしじまとしこの歌い方もロリポップのような甘えた歌い方が強調されている。

しかし、悪くはない。最初は少し抵抗があったが、聞いているうちに例の脳内に音が溶け出してくるような感覚が生まれてきた。特に4曲目の「プラスチックガール」が良い。こういうのを良いというとミーハーっぽく思われそうで少し抵抗があるのだが、感覚的に良いと思うものは否定できない。会社で聞いていても、この曲がはじまると手を止め、目を瞑りながらリズムをとってしまうほどだ。

世間では渋谷っぽいとかピチカートファイブっぽいとかいろいろ言われているようだが、capsulecapsuleで完全にcapsuleな音楽を作っていると思う。ピチカートとは違う軽さと早いテンポ。音だけでも頭に響いて来る上に、それとシンクロして脳にからみついてくる歌。うちの子が、初めて聞いたときにヘッドバンキングをはじめてしまうほどのリズム感。アルバム2枚目にして「capsuleっぽい」音を確実に持っている。

ちょっと褒めすぎか。


ところで、capsuleは世間では渋谷ポップとかラウンジポップとかエレポップとかフューチャーポップとかもっともらしいジャンル分けで呼ばれているようだ。しかしそういう細かいジャンル分けにはさしたる意味はないと思う。雰囲気や系統を説明するための方便としては意味があるが、それでもって音楽を縛ってみてもあまり意味がない。そもそも、ジャンルをあまりに細分化するということは、説明をより煩雑にしてしまうことにしかならないのではないかと思う。ラウンジポップとかエレポップといって、多くの人間に共通認識を与えられなければ、言葉としての価値はない。

そもそもジャンルというのはものすごく曖昧なものだ。アーチストによって、あるいは語る者によってその枠の形を様々に変える。たとえばTMネットワークバブルガム・ブラザーズスガシカオなどは皆「ファンク」と称される。場合によっては「和田アキ子」や「SPEED」でさえファンクと呼ばれることがある。ではファンクとは何か。言葉として明確に答えられる者は少ないし、その答えが他者と同じであることはまずない。「ロック」に至ってはもう完全に無政府状態だ。そういうあいまいなジャンルというものだからこそ細分化が必要、と言う者もいるかもしれない。一理はある。しかしそれは共通認識を前提に行われなければ何の意味もない。ジャンルをジャンルとして確立させるためには、その明確な体系化が必要なのではないかと思う。

ちなみに、「‰¹Šyƒ_ƒEƒ“ƒ[ƒhƒTƒCƒg ƒŠƒbƒXƒ“ƒWƒƒƒpƒ“ - listen.jp」のジャンルにはそれぞれに解説が書いてあり、わかりやすい。ただし、このアーチストがこのジャンルなの!?という不思議な分類がされていることも多いが。

全然違う話になってしまった・・・。とにかくcapsuleのセカンド、なかなか良い。サードアルバムも買ってみようかな。