コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

朧(おぼろ)*/霞(かすみ)*

ちょっと季節外れだが。どちらも空や景色などがぼうっとする様を表す。特に春の季節によく使われる。「朧」と「霞」の違いは、「霞」は昼に、「朧」は夜に景色が虚ろになることを言う。

朧という字面がいい。月の龍。月にかかった雲を龍と例えたのか。「おぼろ」「かすみ」という響きもいい。ただ人の名前と見たときに、忍者っぽいものを連想してしまうのはDOAの悪影響だろうか。

鳥取では春に限らず、景色が霞んでいることが多い。春であればなおさらだ。空はいつも薄い青。遠くの山々もはっきりと見えることは滅多にない。これは湿気が多いことと、春の季節には中国から飛んでくる黄砂に起因する。


時折、「朧」や「霞」がかかった際に、太陽や月が傘を纏うことがある*1。一度、月が大きな傘をかぶっているのを見たことがあるが、その輪が非常に大きくて鮮明で、ものすごく強く印象に残っている。昼間明るいときに太陽がかぶる傘よりも、暗い空に白く浮かび上がる月の方が幻想的で美しい。霞や朧は星や景色を虚ろにしてしまい、あまり好きではないが、時折、傘や光環などの不思議な現象を見せてくれるので、それはそれでまたいいものかもしれない。

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*1:参考写真は太陽にかかった傘