コトバノウタカタ

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パトレイバー2

機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]
昨日に引き続き、BS Hiにて。2作目は以前に見た、と書いたが、見はじめてみると全然内容を覚えていなかった。一度見た映画は割りと覚えている方だと自分では思っていたが、幻の新橋駅が出てくること以外は完全に忘れてしまっていた。というわけで、新鮮な感覚で見ることができた。

前作でもかもし出されていた押井臭さが、2作目では全開になっている。危うい平和を享受している日本、軍部の力を強めようと偽りのクーデターを演出しようとする勢力、さらにそれを利用して本当の戦争をはじめようとする勢力。そういうものが入り乱れて東京が擬似戦場となっていく。

特車2課は存在はするものの、事実上弱体化され、かつてのメンバーの何人かは別の部署に飛ばされていた。そんなときに、戦闘機によるベイブリッジ爆撃事件が発生する。特車課の隊長、後藤と南雲は事件の究明、解決に乗り出そうとするが、事態は刻々と悪化していく。

さて、近作は押井色ばりばりということだが、登場キャラの顔もすっかり押井っぽくなってしまった。後藤、南雲はともかく、泉のあと遊馬などは声やしゃべりかたが一緒でなければもう誰だかわからないくらいに変わっていた。しかも前作で主人公のくせに影が薄いといった泉のあに至っては、出番も見せ場もほとんどなし。ラスト付近で申し訳程度に出てくるくらいだ。でもなぜか、出演者の名前の一番最初には、のあの声優の冨永みーなの名前があるんだよなぁ。

代わりに今回の中心人物は、後藤と南雲。特に後藤が、ストーリーテラーとして深く会話を交わしていくシーンが多い。おかげで押井らしいくどい言い回しが多くて楽しめた。ウィットを混ぜながら真実めいた会話を交わす。のあや遊馬ではそんな会話は無理だ。

映画の中盤、自衛隊の戦車や兵士が都内や日本各地に配備される映像が延々と映し出される。ああ、押井はこの映画でこれがやりたかったんだろうなぁ、と。テーマやエンターテインメントとしてはもちろんだが、軍事ヲタとして市街地に自衛隊が配備される絵を作りたかったに違いない。私は軍事ヲタではないが、それでも絵を見てると、その押井のこだわりがじわじわと伝わってくるような気がした。

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