友人が描いている漫画「装甲騎兵ボトムズAT Stories」の第2巻が発売されている。元々単行本になる予定さえなかった連載漫画だったが、2巻までたどり着いてしまったとのこと。凄い。
以前にも書いたがボトムズの原作は見てないし、友人の描いたものなので、なかなか客観的な感想にはならないとは思うのでご了承を。
装甲騎兵ボトムズat stories 2 (アクションコミックス)
- 作者: 岡島正晃,曽野由大
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2007/02/10
- メディア: コミック
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今作も短編集の形をとり、様々なエピソードが盛り込まれている。シリアスあり、お笑いあり、社会派ありと、「ボトムズ」という共通の世界の上で様々な毛色の話を描いている。前作は「人」や「出来事」を中心にした話が多かったが、今回はもう少し引いた目線で「兵器」や「組織」についての話が多かったように思う。前作の最後に全てをまとめて一気にカタルシスへと向かうような物語的な構成ではなくなっているが、ボトムズの世界観の描写という意味では今作の方が一段深くなっているのではないだろうか。
ボトムズをよく知らないのでボトムズファンがこれをどう思うのかちょっとわからないが、今回はATの種類ごとの特性なんかも話に盛り込まれているので、そういう辺りが好きな人にはなかなかクるものがあるかと。
以下ネタバレありで。
今作の中で一番印象に残ったのは、やはり「自衛軍」の話だろう。ボトムズファンにとってはもちろん、また別の点においても物議を呼びそうなネタである。それを敢えてここに持ってくるというのはある意味度胸がある。
この物語で結論は出ない。主人公の苦悩はあるものの、それに対しての答えも是非も、その後の道標も示されてはいない。淡々と出来事を描いている。「兵器は人道的支援のためといっても所詮は人殺しの道具」という否なのか、それとも「紛争地域に行くということはこういうことなのだ、身を守るためなら仕方がない」という是なのか。答えは読者に委ねる、という感じだろうか。
もうひとつの主軸は「クレセントムーン」の話。こちらは基本的にギャグ。滝に打たれて修行するAT、空中殺法をキめるAT、微妙にシリアスしてるのに基本はギャグ。こちらは後味良く終りました。
絵に関しては、あれから月日が経ったのに加え、「FREEDOM」の背景やポスターなどで鍛えられたようで、書き込みもパワーアップしてる。人の顔のバリエーションも増えた。
そういえば今回は女性キャラがほとんどいなかったが、ボトムズは男臭い話だからそれでいいのかな。
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装甲騎兵ボトムズat stories (アクションコミックス)
- 作者: 岡島正晃,曽野由大
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2005/04/28
- メディア: コミック
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