コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

ドラマののだめ

のだめカンタービレ(16) (講談社コミックスKiss (613巻))
漫画の実写化、ドラマ化というのはコケることが多いという思い込みがあった。「ショムニ」や「きらきらひかる」みたいにタマに当るものもあるけれど、月9ともなれば滑って転んで痛ましや、ってなことになるのではないかと高を括っていた。しかも「のだめカンタービレ」である。人気漫画だからドラマにしちゃえ、みたいな安易な気持ちでのドラマ化なんだろうなあ、なんて思って期待もしていなかった。

それでも、好きな漫画の実写化ということで気になって録画していた。それを見てみたのだけど。


すごいね。面白いですよ。これは楽しい。原作の雰囲気を再現しつつ、単になぞるだけじゃなく、ドラマとしての味付けもされていて実に面白い。音楽という漫画では表現し辛い部分も、テレビでははっきりと表現できるし。だからこそ想像力ではなくリアルに伝わってしまうがために難しい面もあると思うけど、そういう点についてもしっかり作ってると思う。クラシックの知識なぞ皆無な私だから騙されているのかもしれないが、しかし少なくとも前のNHK朝ドラの「純情○×△」の演奏の演出なんかより断然しっかりしている、と思う。先週のSオケのシーンとか、見入ってしまったもの。

それもこれもひとえに、のだめ役の上野樹里の存在の賜物だと思う「スウィングガールズ」でもそう思ったけど、この人ほんとうにこういうコメディに向いてる*1。他の人ではあのキャラは出せないだろうし、あの演技はできない。唇尖らせて猫背でピアノ弾いてるところとか、ほんとにのだめのイメージのまんまだし、「ぎゃぼー」も「はうーん」も実写でどうなるかとヒヤヒヤしていたけど、ものすごくすんなり入ってる。

それ以外の役も皆はまり役。千秋も千秋らしいし、峰も薫ちゃんもみんな雰囲気出てる。最初にタバコすってたのがちょっと違和感あったけど、千秋ってタバコ吸ったっけ? シュトレーゼマンが竹中直人でどうなるかと思ったけど、なんかあんまり違和感なくなっちゃってるし。コメディだから許せるってのもあるだろうけど、見てる方も舞台劇感覚なのかな。


コメディドラマなのであのノリについて行けない人には辛いドラマかもしれない。登場人物が濃過ぎてキャラ作りすぎに見えるかもしれないし、本気で音楽やってる人から見ると演奏とか指揮とかショボショボなのかもしれないし。でも私は好きですよ、ああいうドラマ、ああいうテンション。作り手は単に売れた漫画に乗っかるのではなく、ちゃんと「のだめカンタービレ」を咀嚼して再構成している感じがした。


http://wwwz.fujitv.co.jp/nodame/index.html
screenshot


おまけ。来年頭には今度はアニメ化されるらしーですね。こっちはどうなるんだろ。

*1:コメディ以外ではちょっと目立たない人になっちゃうけど。