コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

まっすぐに。

先日のエントリーで書いた*1、大家族ものテレビ番組に出ている青木家の長女、青木あざみ氏の本が届いたので読んでみた。

まず本の最初についている写真を見てあちゃー感。これは彼女じゃなくて本を作った人があちゃー。こんな中途半端なグラビア風に撮るんじゃなくて、もっと自然な姿を撮ればいいのに。

と、まあそれは置いておいて内容へ。あんまりネタバレしてしまうのも悪いのでホドホドに。


いままで外側から見てきたことが、内側から語られている。番組を見てきた人が読めば、各エピソードとリンクして、あのときはこういうことを考えていたのか、とか、あれにはこういう意図があったのか、というのが良くわかるだろう。

感想としては、あざみ氏がテレビで見ているよりもずっとしっかりしているように感じた。というか、テレビでのナレーションが彼女の本心とけっこうズレていたということがよくわかった。

たとえば。子どもを産むと決心したときの心情、状況。テレビでは「父親に妊娠を言い出せなくて手遅れになってしまった」というようなことを言っていたように思うが、実際には彼女は子どもができた瞬間に「100%産む」と決心していたらしい。父親には言い出しにくかったということもあるようだが、言い出すと止められるから、わざと堕ろせなくなるまで周囲には黙っていたとのこと。

他にも、母親を探しているときや、再開したときの心情、家族との関係、さとみの父親との関係、高校へ行かない理由なども書かれている。テレビで聞いていたものとかなり違っていた。以前は周囲の状況に流されて自分を殺して生きてきた人かと思っていたが、この本を読んで、彼女はしっかりとした覚悟を持ち、自らの意志で道を選んだのだと感じた。

これはテレビが嘘をついたということではなく、その時点では彼女の本心がわからなかった、ということだろう。ただテレビ側に「子は親を求めるものだ」とか「16歳で子どもを産みたいなんて思わないだろう」という先入観があり、そのようなナレーションを付けてしまったことは否めない。いや、テレビでなくとも、事の成り行きを聞いただけでもそう思う人は少なくないだろう。


そういう私も先入観やらなにやらでかなり以前に「いい加減な出産」というような言い方で批判を書いた*2。それについては撤回したい。本に書いてある彼女の考えが全てが本心かどうかわからないし、それが本当だったとしてもずっとその気持ちが続くかどうかは判らないけれど、少なくともこの本を読んだ限りにおいては上記のような言い草は失礼だったなぁ、とちょっと反省。


話の最後に、インターネットで流布している「さとみは親父との間にできた子だ」という噂についての言及もちょこっとあった。

テレビを見て興味を持った人は読んでみてもいいかも。

余談

36ページの上の編集者のコメントの誤字が酷い。

家事に撲殺される日常の中で、ほとんど毎日書くのを欠かしたことがないという。

「撲殺」って・・・。「忙殺」の間違いなんだろうけど、酷いな。毎日撲り殺されとるんかい。

*1:[http://d.hatena.ne.jp/tetsu23/20060311/1142005335]

*2:http://d.hatena.ne.jp/tetsu23/20050318/daikazoku