コトバノウタカタ

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20世紀少年 (21)

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (21) (ビッグコミックス)

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (21) (ビッグコミックス)

話は微妙に進展してるけど、大きな変化がないのでじれったい巻。謎が徐々に明らかにはなってきているが、誰かが大きく活躍しているというわけでもないし、地味な一冊かも。前巻がいろいろ衝撃的だったので、なおさらそう思うのかもしれない。今回は仲間たちが動き始め、東京に集結していくという準備段階か。

いやそういえば、最期にでっかい暴露があった。けど、なんだか衝撃的というのとはちょっと違う。読者は知ってる事実だったし。

今巻で今の「ともだち」の正体もほぼ明かされたかな。さらなるブラフは・・・さすがにもうないと思うけど。


以下ネタバレ込み。

えーとまず前巻の最期のキリコの「もう一人は誰なの?」の答えについては「コンチ」でいいんでしょうか? それともまだ明らかにされていない? 話が飛びすぎててわからなかったけど、「コンチ」だったとしたらブラフにも程があるし、かといって他の人物はもう出尽くしてるような気がするし。あるいはその「もう一人は誰なの?」の直前に出てきたサダキヨを、見せつつも注目させないための演出?


まずはDJの話から。これが昔の仲間の「コンチ」であることが判明。そういえば名前聞いたことあるな、コンチ。しかし登場人物が「実は・・・」みたいなパターンが多い。春波夫もそうだったし。これもケンヂの顔の広さと人望ゆえ、とも言えるかもしれないが。

ここで驚いたのは、「ともだち」配下の暗殺者であった13号の登場。本物のともだちが死んだ後、ずっと倉庫に隠れていたとのこと。確かに監獄でじっと暮らすのとそう変わらないのかもしれないが、しかしさすがにトイレも水道もない倉庫内で2年は無理だろ。

凶悪な敵だった13号だが、本物のともだちの死によって考え方が少し変わっている。味方とは言い難いが、本物のともだちへの忠誠によって共闘することになりそうな流れ。許し難い敵ではあるが、頼もしくもある。


後半。ともだちがマスクを被るときに、お面を被る回想をしている。やっぱりサダキヨ? 「しん・よげんのしょ」の最後のページを書き込んだのもサダキヨとのことなので、これで確定か。

しかし「しん・よげんのしょ」の最後には何が書いてあるんだろう。フクベエや山根君が「それはないな」と言っている。案外「ケンヂも宇宙人もみんなともだちになって仲良く暮らしました」とか書いてあったりして。


もうひとつ、ともだち側の幹部の高須。「ともだち」の子を孕んでいるということだが、どちらのともだちの子かは不明。多分フクベエの子だとは思うが。彼女は今のともだちが偽物であることも知った上で「ともだちは永遠に生きる術を手に入れた」というようなことを言っている。それは子として遺伝子を受けついで行くということか、それともともだちとは個人ではなく「意志」そのものだという解釈をしたのだろうか。

この先、ともだちと高須の確執なんかも発生しそう。


巻の最後で、ともだちが「全ては嘘だった」と暴露。自らのコンプレックスゆえに「世界を滅ぼす」ことを決定。ここが本当は衝撃的なシーンのはずなんだろうけど、いまいち衝撃を受けなかったのはなんでだろう。ともかく、自ら引くに引けない状況を作ったともだち。いよいよ最終決戦へ突入。

今後のキーになるのは、サダキヨと唯一仲良くなった小泉響子だったりして。

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