コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

交響詩篇エウレカセブン (2)

交響詩篇エウレカセブン(2) (カドカワコミックスAエース)

交響詩篇エウレカセブン(2) (カドカワコミックスAエース)

漫画の第2巻を読んだ。例のごとく展開がはやく、今巻はかなり突っ込んだネタバレもある。ネタバレ度としてはアニメ版より先に進んでる部分もあるのではなかろーか。アニメの今週話でようやく語られたゲッコーステイトの目的なども既に明らかにされているし。

しかしこれは私の考え方の軌道修正がかなり必要だなあ。漫画版とアニメ版がどこまで同なのかはわからないが、漫画を読む限りではデューイの目的など、根幹についてちょっと誤解していたところがあるぽい。

漫画として、シンプルに面白いね。1巻で展開が早すぎると書いたが、言い方を変えれば余分な部分が殺ぎ落とされていて話に入り込みやすい。レントンエウレカ、ホランド、デューイ、アネモネに話を絞っているので流れも比較的把握しやすい。アニメとの相乗効果は成功しているのではないでしょうか。


ストーリーの流れはもう完全に別物になっているので、設定としてアニメ版と異なっている点、勘違いしていたと思われる点、まだ語られていない点について取り上げてみる。

以下ネタバレあり。

朱い瞳の少女
エウレカアネモネの瞳のこと。アニメ版ではこういう呼称が使われたことは(たぶん)ない。ゴンジイ曰くレントンが来てから、エウレカの朱い瞳の光はずいぶん和らいだということなので、コーラリアンらしさの指標なのかも。
エウレカアネモネがそっくりという話
これはアニメ版にはない設定。レントンコーラリアン消滅後にアネモネの顔を見ているはずなので、ここでそっくりなら気づいているはず。いやそもそもアニメ版は作画上、完全に別の顔、だよね。エウレカ、あんなに釣り目じゃないし。
コーラリアンの攻撃
アニメ版では地殻変動などにより市民に損害が出ていたが、漫画版では直接槍を飛ばして無差別に攻撃を行っている。自然現象ではなく、明らかに意思を持った存在として描かれている。これ見てたらコーラリアンが知的生命体だともっと早い段階でわかってたかな。
コーラリアンを殲滅し人類を救うアゲハ構想
アドロックが作ったアゲハ構想。デューイはそれをコーラリアン殲滅計画だと言う。アニメ版ではデューイの目的もアゲハ構想の内容もまだ語られないが、漫画版ではここでホランドの口により明確にデューイの目的が語られる。
アドロックがホランドの師匠
ホランド曰く、「オレには尊敬してた師匠がいてな、世界のいろんなことを教えてくれた。・・・誰かに殺されちまった」とのこと。アニメ版では師匠がアドロックかチャールズか曖昧だったが、漫画版では明言されている。
デル・シエロの真実とアドロックの死
デル・シエロ殲滅作戦はアドロックが殺されたということに起因しているという話。こういう話はアニメ版ではされていない。それどころかアニメ版ではアドロックはサマー・オブ・ラブに飲み込まれて消えたとチャールズが言っていた。ここは矛盾している。デル・シエロの破壊とサマー・オブ・ラブではまったく時期も違うし。しかもアドロックは自ら作ったアゲハ構想に反対したがためにデューイに殺されたとのこと。これは漫画版とアニメ版で異なる設定となるのだろうか。
ゲッコーステイトの目的
アニメ版では今週ようやく語られたゲッコーステイトの目的が、漫画版では既に語られている。アニメ版ではタルホが、漫画版ではホランドが語るという違いもある。ただし漫画版ではエウレカの正体についてはまだ語られていない。
星間移民
アニメ版に星間移民の話ってあったっけ? ひょっとしたら第1話にあったかもしれないけど、覚えてない。とりあえずデューイの台詞「我々人類が星間移民の末ここに辿り着いてから千円余・・・」

その他いろいろ感想。

エウレカ大泣き
アニメ版ではここまでエウレカが強く感情を露出させたことはまだない。そしてその気持をわからないといいつつも、穏やかにエウレカを慰め、抱きしめるレントン。ボーイ・ミーツ・ガールしてるなぁ。このあたりの演出はアニメ版より上手いかも。
明るいエウレカ
中盤以降、ともかくエウレカが明るくてアクティブ。泣いたり笑ったり泥まみれになったり、とにかくポジティブ。タルホが言うようにほんとにふつーの女の子になっている。こういうアニメ版とのキャラの違いはけっこう気になったりするものだが、この漫画については不思議と気にならない。そういうものだ、と思って読める。
コーラリアン内部の精神世界
アニメ版とはまた違った雰囲気で面白い。アネモネからType the Endっぽい影が出てくるところが絵画ぽくて特に印象的。またレントンだけではなく、エウレカの心象も描き、二人がお互いを求めて触れ合うことによってコーラリアンが消失する、という演出は秀逸。
デューイとドミニク
アニメ版ではほとんど出てきていない、というよりまだ何もやっていないデューイが、漫画版では物語の中核人物として描かれている。残酷さ、冷酷さも強い。ホランドとの確執もアニメ版ではあまり描写されていないところ。ゆえにアニメ版とは違った視点、楽しみ方で読むことができる。それに付き従うドミニクも、アニメ版に比べてきつい性格になっている。ボケもないし。今週のドミニクを見た後だとこの遊びのなさはちょっと寂しい。
女の子アネモネ
エウレカに続いてアネモネもアニメ版より女の子ぽい。残酷さを秘めつつ、少女らしさを見せる。顔がエウレカと同じということで穏やかに見えるということも理由のひとつだろうか。アニメ版ではいきなりType The Endでの戦闘だったが、漫画版ではふつーに顔を合わせて出合っている。アネモネエウレカのやり取りもアニメ版ではなかった見所かも。
タルホとエウレカ
これもアニメ版では見られなかった組み合わせ。そういえばアニメ版ってほんとにタルホとエウレカって絡まないなあ。タルホはエウレカにダイアンを見ているようだけど、漫画版ではダイアンがあまり重要視されていないようなのでそのあたりも関係あるのかな。