コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

マルコヴィッチの穴

マルコヴィッチの穴 DTSコレクターズエディション [DVD]

マルコヴィッチの穴 DTSコレクターズエディション [DVD]


以前から気になっていた映画だったが、ようやく鑑賞。ひとことで言えば「想像していたものと違った」。

ビルの7と1/2階にある小さな穴をくぐりぬけるとマルコヴィッチになる。この奇想天外な設定からして、超現実的、ファンタジー、あるいは電波的な物語を想像していた。もっとバカっぽい映画かと思っていたが、わりとシビア。確かに超現実的な雰囲気が漂ってはいるが、それで誤魔化してはいない。奇妙で不可解なパーツが、単にラリった雰囲気モノではなく、それなりに説得力のある背景を持っている。もちろんそこにファンタジーや非現実はある。しかしさまざまな奇抜な設定や出来事すべてが、最終的にひとつにまとまっていく。

媒体 テレビ
もう一度見たい ×
劇場で見たい ×
最後まで集中して見れた 
他の人にも薦めたい
印象的なモノがあった ○(人形劇とか、ブラ○とか)
マニアック △(思ったほどマニアックじゃなかった、いやマニアックといえばマニアックか)


以下、ネタバレもありつつ。

登場人物は皆が皆、己の欲望にのみ忠実に行動していく。状況によって善玉と悪玉がコロコロと入れ替わり、それゆえにどのキャラにも感情移入がしづらい。また全体的にドタバタと喜劇なテイストだが、笑えない。つまらないというのではない。喜劇が持つ悲劇を色濃く感じてしまい、笑うというよりもなんだか重たい気持になってしまう。マルコヴィッチに入るという面白設定がメインではなく、実際には男2人女2人のどろどろの愛憎劇がメインになっているゆえだろうか。

パッケージにもなっているたくさんのマルコヴィッチのシーンは、ちょっとしたオマケ程度のものだった。あの短いシーンを宣伝にもってくるというのは、確かにインパクトはあるだろうが、もったいないと思うし、本質ではないのでちょっとズルい。

ラストがちょっと尻すぼみな感じは否めない。展開としては盛り上がっているのだが、突然マキシンの態度が変わるし。彼女が電話をしていた本彼らしき相手は忘れさられているし。


枝葉になるが、ところどころで演じられる人形劇が目を引く。あれは本当に人形使いが動かしているのだろうか。だとするなら本物が見てみたい。リアルで、でも人間とはやはり違う、現実と妄想の狭間にあるような演技。映画自体は1回見れば満足という感じだが、人形劇の部分だけはもう1回見てみたいかも。

ちなみに一番笑ったシーンは、何気なくブ○ピが出てきたところ。

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