コトバノウタカタ

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交響詩篇エウレカセブン - ワールズ・エンド・ガーデン

交響詩篇エウレカセブン 2006年度 カレンダー
先週までの、レイ・チャールズ夫妻との交流が終わり、また世界に一人ぼっちで投げ出されたレントン。成長しているようでいて後先考えずに行動するところは一向に変わっていない。そして行き倒れていたレントンを助けたのは、カイ・シデンウィリアムという青年。

どうやら今回は予定の放送回数のちょうど半分となるようで、ターニングポイントともいえる1話。話の流れとしては脱線のように見えて、実はこの物語のかなり本質的な部分を語っているのではないかと思う。キーワードは「太陽からのエネルギーと大地からのエネルギー」「パイルバンカー」そして「絶望病」。世界を変えていくだけの力を得るであろうレントンにとって、世界を知ることは避けて通れない道。

ウィルはレントンに自分が考える「世界のあるべき姿」を語り、「逆らわない生き方」を説く。だがレントンはっきりと何かを求めるわけではない。ただの独白として彼は語る。しかし、

  「僕の足跡をたどってくれよ」

この一言は、レントンに何かを感じ、自分の見てきた道をたどってほしいと隠喩的に語っていたのではなかろうか。というのはさすがに深読みしすぎだろうか。どちらにしてもウィルとの出会いは、レントンにとっての今後のひとつの道標となるような気がする。でもレントンはけっきょく、ウィルの足跡をたどって歩いてはいないんだよね。


そして絶望病。ウィルは語らぬ妻がレントンのことを教えてくれたと言う。機械と語る少女がいる世界だから、言葉を交わさずとも愛する人の心の声を聞く人がいてもおかしくはないのだが、果たして。

ともかく、いままであまり深くは語られてこなかった絶望病が、ここでようやく語られた。これは単なる病ではなく「死に至る病」。これは世界そのものの死を示唆しているのではないだろうか。「大地に魅入られた」という言葉がまた世界の謎を秘めているように思う。ならば大地から生まれたLFOは・・・。

この絶望病が今後物語りにそれがどう関わってくるのかはまだわからないが、あるいはレントンの姉が・・・? ホランドはそこから逃げ出した、とか?


今回は、内容の濃さだけでなく見た目としても印象的だった。杖を振りかざすウィルの挙動、パイルバンカーが倒れる迫力あるシーン、流れていく大地の光、木と家、きわめつけは絶望病で動けないはずのマーサが最後に一瞬だけ見せた流し目。ちょっと設定やストーリー展開で強引と感じるところはなきにしもあらずだけど、いろいろな意味でバランスのいいアニメだと思う。

余談

絶望病というのは本当にあるものらしい。アニメ中のモノとは少し違うが、こちらに記述がありました。