コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

WXIII 機動警察パトレイバー

WXIII 機動警察パトレイバー [DVD]

WXIII 機動警察パトレイバー [DVD]

BSでやってたのを録画して、今ごろになってから見てみた。HDDレコーダがあると、「とりあえず撮る」→「忘れたころに見る」というパターンになってしまう。特に映画は見るのに気合がいるので後々になってしまう。まだ見てないのが10本以上溜まってる。中には相方と一緒に見たいと思っているものもいくつかあるが、そういうものはさらに時間が取れず、さらに後回しになってしまう。もうディスク容量に空きがなにのに。ちょっとやばい。

そんな話はともかく、パトレイバー。前作の2で特車2課はほぼ解体されてしまっているので、3は時間が巻き戻って特車2課がまだ現役ばりばりで活躍していた頃の話。


物語は、秦という若い刑事と、久住というベテラン刑事のコンビが、東京湾岸で発生したレイバーの破壊事件を捜査するところからはじまる。調べを進めていくうちに、それが人為的なテロや事故ではないということを突き止めていく。ってな感じ。

映画としてのデキは申し分ない。怪獣映画、軍隊もの、ロボットもの、近未来SF。各要素がおいしい具合に絡まり、シンプルでありがちな設定でありながら、飽きずに物語に集中できた。しかし、パトレイバーという名を冠していながら、パトレイバーの出番はほとんどない。特車2課は物語の中核にはまったく関わってこない。後藤さんはちょこちょこ出て来るけど特に何をするでもなく、のあも遊馬も出番はほとんどなし。

パトレイバーというのが特車2課に限定されるものではなく、「あの世界」を舞台にしたものであると言えばそうなのだろう。しかし、「パトレイバー」の名を見て劇場にこの映画を見に行った人はちょっと肩透かしを食らったのではなかろうか。いや、いい映画なんだけどね。


全体的に「邦画」テイストが強い。間、音のない情景、台詞回しなどに、邦画独特の雰囲気が漂っている。ただ街中を歩いているだけの情景など、ややもすれば冗長になる表現も多かったが、カットや構図が上手いのか、間延びしている印象はそんなにない。近未来とは言いながら、レイバーの存在以外は現在と同じかそれより少し以前な感じ。近未来と言うより「レイバーという存在が生まれたパラレルワールド」と言ったところだろうか。しかしレイバーを頻発させるのではなく、要所要所にのみ出すことによって、リアリティが崩れないようにしている。


レイバーについて。ある意味これがパトレイバーの最大の弱点なのかもしれない。リアリティのある世界にあって、レイバーという中核の存在が一番リアリティを欠いてしまっているときがある。特に動きやアクションに関して、特撮もののような重厚さがない分、「アニメアニメ」してしまう。

今回は怪獣が入ったことでさらにそれが強調されているように思う。怪獣映画、いわゆる特撮怪獣というよりは、やはりアニメ的であることは否めない。とはいえ、否定的な部分ばかりではない。アニメだから良くなる表現というのもある。バビロンプロジェクトの建設中プラントの中での怪物からの逃走劇は、迫力もあり、危機一髪という感じが出ていて良かった。あのシーンは特撮ではなかなかできないだろう。いや、それができればアニメでは絶対に敵わないものになってしまうが。


ストーリーについて。ふたつだけ気になったことが。ひとつは秦と岬があまりにも都合よく出会ったということ。偶然にも程があってちょっと興ざめ。もちろん、それがドラマを盛り上げていることはわかるが、「車が故障していたところに出会った」というようがコテコテすぎる。そういう偶然ではなく、もう少し脈絡のある出会いの仕方はなかったのだろうか。もちろん、「レイバー破壊現場の現場近くに岬がいた」ということは必然であり、そこに意味があるとしても。

最終的には軍が証拠隠滅のために横暴な行動に出る。どうせならあの場面で、怪物が最後の力を振り絞ってヘリを破壊、くらいしてほしかった。それじゃ主旨が変わっちゃうか・・・。


あー、どうもネガティブなことを書き連ねてしまったような気がするが。2のような壮大さと奥深さとはいかないものの、3もいい映画だと思います。HDDレコーダから消すのが惜しいくらいには。

あ、もうひとつだけ。南雲さんが出て来ないのは何故だ!

もう一度見たい △(すぐではないけど、いつかまた見たいかも)
劇場で見たい △(劇場で見れば迫力あるかも)
最後まで集中して見れた 
他の人にも薦めたい
印象的なモノがあった
マニアック △(前作に比べたらかなりわかりやすい)