コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

アークス・ファタリス

アークス・ファタリス 完全日本語版

アークス・ファタリス 完全日本語版

洋ものシングルの1人称3DRPGの完全日本語版。ドワーフやゴブリンやトロルの出てくるコテコテファンタジー。ストーリーはこんな感じ。

地上が雪に閉ざされ、地上に暮らしていた人間をはじめとする各種族は地下へ逃げることを余儀なくされた。対立していたいくつかの種族が協定を結び、互いに協力して地下にアークスと呼ばれる世界を作り、そこで生き延びることとなった。

種族のひとつであるゴブリンに囚われた記憶喪失の青年が主人公。青年は生き延び、そして自分の記憶を取り戻すためにアークスの地下世界の探索をはじめた。

ストーリーの通り、舞台は地下世界。延々と洞窟の中を探検していく。

ゲームのシステムとしては、キングスフィールドタイプの1人称視点斬りつけ戦闘タイプのRPG。シナリオの雰囲気はウルティマアセンションのような、コテコテな洋ゲーの雰囲気。他にも魔法は複数のルーンを描いて発動するというダンマスなテイスト、アイテムの持ち方はディアブロタイプ。そういういろんな感じのエッセンスが詰まったゲームになっている。単なる物まねではなく、「いいゲームを作ろう」という意気込みがそこはかとなく伝わってくるなかなかの出来だと思う。


難点を言えば、戦闘がちょっと単調、というところと、使えない魔法が多い、というところだろうか。

戦闘については、ボタン押しで力をためて離すと攻撃、となる。武器によってため時間などが変わり、実質それがディレイになっていて、そこはいい感じ。しかし敵の種類が少ない上に、攻撃パターンが比較的単調。

魔法については、ファイアーボールが圧倒的に強く、他の攻撃魔法を使う意義がほとんどないというのが実情。ファイアーボールよりも強い上位魔法も、使い勝手が悪かったりコストパフォーマンスが悪かったりで、けっきょくはファイアーボールを使うことになる。

しかもこのファイアーボール、武器攻撃よりも圧倒的に強い。魔法ストックに入れておけば溜めなしですぐに発動できるし、しばらく自分の目の前に留まってから飛んでいくので、敵に近づいて撃てば近接武器のようになり外れることはほとんどない。くらった敵はしばらく硬直するので、その間に間合いを取ることだってできる。

もちろん、魔法は魔力を使うし、中ボスクラスの敵になるとファイアーボール2、3発では倒せないので地道に武器で戦うことになるが、それ以外の場合は敵の懐にもぐりこんでファイアーボールさえ撃っていれば勝ててしまう。

イェルシドという中盤以降に出てくるものすごい速度で移動する敵がいる。攻撃力も高く、攻撃速度も高いので剣で戦うとものすごい強敵なのだが、ファイアーボールを使えば2発で倒せてしまう。逆にファイアーボールがなければ、とてもではないが倒せる敵ではない。それが例えば「イェルシドにはファイアーボールが効果的」などと弱点として設定されているなら良いが、どの敵に対してもファイアーボールが一番有効なのでちょっと萎えてしまう。


あとは、問題点ではないが、洋ゲーなので全体的にヒントが少ない。シナリオを進める上で重要なアイテムが何気なく隠してあったり、判りにくいスイッチを押さないと先に進めなかったりと、不親切だと感じる部分はある。しかしこれは洋ゲーの常なので仕方あるまい。

以前はそのストイックさを楽しめていたのだが、最近はヌルゲーマーになってしまってだめだ。すぐに攻略ページに頼ってしまう。既に4、5回、行き詰まって攻略ページのお世話になってしまった。っていうか、攻略ページ見てなかったら、たぶん一週間以上は余計にさまよっていただろう。敵がランダムに復活でもしてくれれば、ストイックな放浪も良いのだが、このゲームではイベントが発生しないと敵が復活しないので、誰もいないダンジョンを延々と歩きまわることになる。さすがにそれはちょっと辛い。


ネガティブなことを書き連ねてしまったが、3DRPG好きなら十分満足できるゲームだと思う。最後に、このゲームを進めていく上で役に立ちそうな豆知識をば。

  • 武器防具は売れるときに売ってしまえ。店のボックスがいっぱいになるのが心配かもしれないが、イベントが起こればたびたびリセットされる。ただし、同じ品物は同じマスに。武器防具を売るときは同じ耐久力の武器防具を重ねるように。
  • 魔法を売っているのを見かけたら即買い。
  • 物は動かしてみるべし。特に枕・・・。
  • メモ、本はよく読め。重要だと思うものは持ち運んで。
  • 食料はほどほどに。そんなに大量にはいらない。後に食料召還魔法も会得するので。
  • バックパックは絶対必要。見かけたら絶対買い。拾ったら「使う」こと。
  • 戦闘に困ったらファイアーボール。
  • 敵が非戦闘態勢のときに倒すと武器を落とさない。
  • 武器攻撃はと溜めてから。