コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

滑舌

先日の日記*1で、「滑舌」という字がIMEでは変換できないし、Infoseekの辞書で検索しても出ない、ということを欄外に書いた。最初「活舌」と書いていたところを、「『滑舌』の方が良いのでは」とのご指摘いただいたこともあり、ちょっとこの「滑舌」ってやつについて調べてみた。

Googleで検索してみたところ、私と同じような疑問を持った人がたくさんいるようだ。そして何故辞書に載っていないのかもだいたいわかった。

元々「滑舌」というのは舞台用語で、一般では使われてなかった。それが最近になってテレビで役者が口にするようになり、一般化してきた。一般化してきたとはいえ、まだ新語なので辞書に載っていないことが多い、ということのようだ。しかし辞書にまったく載っていないわけではなく、載っていないものもあれば、載っているものもある、というのが現状のようだ。

いくつかの辞書について調べた記事があったので引用させていただきたい。

えーっと三省堂の『新明解国語辞典(第五版)』ですが、項目がありませんでした。ほぉー。第六版が発売されていたのですが変更はあるのでしょうか。気になるところです。
三省堂のでかい国語辞典の『大辞林』には項目が掲載されていませんでした。
三省堂の『デイリー新語辞典』(gooを利用)には項目が掲載されていました。新語なんですかねぇ。
岩波書店の『岩波国語辞典(第五版)』には項目が掲載されていませんでした。
小学館の『国語大辞典(新装版)』には項目が掲載されていました。
小学館(といっていいのかわからないけど)の『デジタル大辞泉(小学館)』(Livedoorを使用)には項目が掲載されていました。
新潮社の『新潮国語辞典(第二版)』には項目が掲載されていませんでした。

広辞苑」には載っていないらしい。「新明解国語辞典」の第五版にはない、とあるが、第六版には載っているようだ*2

またネット辞書では以下のような感じ。

サイト名 有無 元にしている辞書
Infoseek なし 三省堂「大辞林
goo辞書 あり* 三省堂「デイリー 新語辞典」
Yahoo辞書  あり*  小学館「大辞泉」

まさに新語としての過渡期なのだろう。今は載っていない辞書も、次版には載っている可能性は高い。しかし良く耳にする語だけに、新語であるということには少々驚いた。「新語」という認識があって辞書にのっていない言葉はたくさんあるが、「滑舌」については新語としての認識がなく、一般語だと思って普通に使っていた。当たり前だと思っていることが案外当たり前ではないこともあるものだと実感。

紙メディアが、放送メディアが人に与える影響に追いつけていない、ということも言えるのかもしれない。興味深い現象だ。


ちなみに表記については「活舌」とも書かれることがあるようだが、意味合いとしては「滑舌」の方がやはりしっくりくるし、辞書の表記も基本的に「滑舌」になっているので、やはりそちらの方が妥当のようだ。


以下の日記に、「滑舌」に関する関連記事がまとめられているので参考にされたし。

関連サイト

*1:[http://d.hatena.ne.jp/tetsu23/20050512/csneo:title]

*2:[http://blog.livedoor.jp/jdash/archives/16991346.html:title]