コトバノウタカタ

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SAMURAI7 最終回

SAMURAI 7 第4巻 (通常版) [DVD]
最終回を迎えてしまったタレ目系サムライアニメ。個人的には、不満はないわけではないが、それなりに満足のいく終わり方だった。

以下ネタバレアリ。


前半の話の小ささから、後半のでかいスケールの話へのシフトにはちょっと面食らったが、物語としてはこのくらいの盛り上がりがあった方が良かったのだろう。


最終回の主役はキクチヨ。何度やられても立ち上がり、最後の力を振り絞って村を守った。彼がいなければ、このアニメのコミカルな部分は半減していただろう。失敗も多くわがままではあったが、ムードメーカーとしては必要不可欠なキャラだった。そのキクチヨの「サムライらしい最期」は見事であり、切ない。コマチと「将来結婚する」なんて約束をしていたときから、「ああ、キクチヨたぶん死んじゃうな」とは思っていたが、案の定だった。

それにしても右京もしぶとかった。何度やられても立ち上がるところはキクチヨ並のバイタリティ。というか、カンベエもサムライなら、敵にはきっちりと止めを刺すべきだろう。巨大な機械のサムライは一刀両断にするくせに、天主右京は傷を負わせただけ、というのは少々納得できなかった。情けか、油断か。とにかく、作中では誰も突っ込まなかったが、あれはカンベエの失態としか言いようがない。

最期、都を落とし、天主は死に、農民達に平和が訪れる。巨悪を倒し平安に終わるというのは少々勧善懲悪過ぎる気もしないでもなかった。そのあたりは単純な剣戟ファンタジーとして大目に見るべきだろうか。

カンベエに恋心を抱いてしまったキララは、ミクマリの職を降り、コマチに譲る。恋をすることで巫女としての力を失ってしまったということか、あるいは作中で言っているように「けじめ」をつけたのか。しかしコマチもキクチヨと結婚すると言っていたのだがそれはいいのだろうか。子供過ぎて結婚の意味がまだわかってないから大丈夫? それとも機械の身のキクチヨとは結婚しても大丈夫? 結果的にキクチヨは死んでしまったが、もし生き残っていたらどうなったのだろうか。

とまあ微妙にすっきりしない点はいくつか残ったものの、作品としては十分に面白かった。原作である黒澤明の「七人の侍」は未見なので、一度見ておかねばと思う。