子に何かを教えていると、芸を仕込んでいるような気分になる。例えば子が「たーたん」(おとうさん、とか、おかあさんのつもりだろうか)と呼びかけて来たら、そのたびに「はーい」と返事をする。そうやって、「たーたんと呼びかければ返事が来る」ということを子供に学習させている。それは「たーたんという呼びかけをさせる芸」を仕込んでいるのに近い。
あるいは、「お菓子欲しい人」と呼びかけ、子が元気良く手を上げたらお菓子をあげる。手をあげなくてもお菓子はあげるのだが、手を上げればニコニコして「よくできました」といってすぐにあげる。手を上げなければ親が自分の手を上げて、「こうやって手を上げるんだよ」と教えてからお菓子を渡す。これってまんま餌付けだよね・・・。
しかし子もさるもの。教えたことだけではなく、教えもしないゼスチャーも身に付けていく。例えばおなかがすいたら、食事用の自分の椅子にちょこんと座って「まんまー」と声を上げる。「椅子に座ったら食事」ということを自分で理解し、逆に椅子に座ることによって食事を欲していることを表現する。親の考えの一歩先を行っている。
少し話は変わって「叱る」ということについて。子が悪さばかりするときにはついつい叱ってしまう。まだ言葉もろくに理解できてない子に対して言葉で言い聞かせても理解できているとは思えないのだが、こちらも腹が立っているので、声を荒げたり、軽く手の甲を叩いて叱ることもある。叱る、というより、怒っているのかな。
しかしそうやっても子はたいてい言うことを聞かない。泣き出してますます悪魔化する。むしろ気をそらせたり、いいことをしたときに大げさに誉めたりする方が効果がある。それはわかっているのだが、イライラしてくるとついつい叱ってしまう。
また、そうやって子供の機嫌ばかり取っていると、「子供に媚び売って、俺なにやってんだろ」な気分になることもある。厳しく出ても下手に出ても、けっきょく落ち込む結果になってしまうことも。
でも子供がイライラしているときは「眠たい」か「遊んで欲しい」か「腹が減った」かのどれかなので、ちゃんと一緒に遊んであげれば機嫌良くなったりするんだよね。それをめんどくさがって一人遊びさせようとしたりすると、ますます機嫌が悪くなって悪循環。
まあいろいろ大変です。
昨日も子の機嫌が悪く、こちらまでイライラしてきて少しきつく当たってしまった。相方も相方でイライラしていたようで、親子三人それぞれイライラしていた。ちゃんと後で仲直りしたけど。
怒っているときはさすがに「それでも可愛い」とは言えない瞬間があるが、落ち着けばちゃんと「うちの子は可愛いなこのやろう」って思えるのでまだ大丈夫でしょうかね。それともこういう気分の揺れがさらに大きくなるとドメスティックバイオレンスとかになっちゃうんですかね。*1
*1:親から子への暴力にはこの言葉は使わないようだ。詳細は次項。