コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

「もったいない」という言葉

またニュース23でおかしなことを言っていた。

ニュースとしては、外国で今「MOTTAINAI」という言葉が注目を集めているという話。この語は日本独特のもので、英語などにはない概念。国連でこの「MOTTAINAI」という言葉が、環境問題を考える場合に非常に便利だ、とのいうことでブレイクするかもしれないというニュース。

話は転じて、実際に今の日本に「もったいない」の概念があるのかという話。大量のゴミを出し、必要な食料の2倍を消費苦する大量消費、浪費大国。そのことを問題提起するのはよかろう。

しかし、である。話は変な方向へと流れていった。街頭インタビューで平日の昼間にうろついてそうな若者に対して「もったいないって知ってますか?」と質問。若者は「知らないなぁ」と答えていた。そして一通りVTRが流れ終わった後の筑紫哲也のひとことに耳を疑った。

「今の若い世代は、もったいないという言葉も知らない。20年くらい前から死語になっている」

さすがにそれはないだろう。もったいないの精神が欠けているというのならわかるが、「もったいない」という語自体がなくなっているなんて言い出すとは。さすがになくなってはないだろ。インタビューした相手が悪かっただけだろ。

私ももう若者と言えるような世代ではなくなってきたが、「もったいない」なんて当たり前のように使うぞ。子育てなんかしてたら毎日のように使う。若者だって子供だって、もったいないの意味くらいはさすがにわかるだろうし、日常生活で使うこともあろう。

「若者にもったいないという精神がない」という考え方がエスカレートしすぎて、言葉自体を殺してしまいたくなったのだろうか。それとも無理して何か小粋なことを言おうとして勢い余ってしまったのだろうか。ともかく変なコメントだった。

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