コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

20世紀少年 18

やっぱレビューだけでは書き足りないので追加してしまおう。



ケンヂの歌を歌う矢吹ジョー。これでケンヂじゃなかったら、本当に浦沢直樹ってとんでもない奴ってことになりそうだ。

今回、展開としてはあまり進んでいないようにも思えるが、矢吹ジョーが登場したことによって世界の流れがゆっくりと変わっていくところが描写されている。DJが人のいないバーで一人で語っているシーンなどは、一見すると単なる脱線にしか見えない。しかし、そうやって周囲の物語を挿入し、説明的ではなく世界を描くというのは、まさに浦沢直樹の本領が発揮される部分である。


今回のラスト、「フクベエならどうするだろう」の一言。やはり今の「ともだち」はあの男なのか。事故って炎上、と報道されていたことから、身代わりを立てるかなにかして、実際には死んでいないだろうとは思っていたが。

しかしフクベエが完全にインチキだったとすると、その娘であるカンナに不思議な能力があるのはなぜ?という話になってくる。いや、カンナが「ともだち」の娘であるというのもまた嘘かもしれない。話が進んで、謎がひとつ解けるたびに、新たな謎が増えていく、謎のイタチごっこのような物語である。