コトバノウタカタ

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人権擁護法案=治安維持法?

今日はじめて聞いたのでまだ詳しいことはよくわからないが、以前に上がっていた人権擁護法案が、形を変えて再び姿を現したらしい。与野党の合意を得て、今月中にも可決される見通しとのこと。これに対して様々な人々が反発している。

前回はマスコミへの規制が厳しくなるのではと、各種マスコミが声高に異を唱え、法案成立は阻止された。そこで今回は「マスコミへの規制は凍結」という形で提出されたらしい。マスコミは「凍結ではいつそれが解除されるかわからない」と反発している。具体的には雑誌協会委員会や日本新聞労働組合連合が反対の声をあげているようだ。


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また、日弁連も反対の声を上げている。


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それ以外で、特に強く反発しているのはネット住民。以下のサイトがその急先鋒のようだ。


   ちょんまげ党


今回提出された人権擁護法案がどのようなものか、ネット住民の視点から以下のように書かれている。

この法案は差別等の人権侵害を禁止するものですが、「差別」を厳密に定義しておらず、また差別の「助長、誘発」をも禁止しています。

これらの「人権侵害」があると疑われた場合、法務省外局に置かれる「人権委員会」が調査を始めます。人権委員会は関係者に出頭を求めたり、証拠品の提出を求めたり、立ち入り検査を行ったりする事が出来ます。 これらは令状請求の必要がなく、人権委員会の独断で行う事が出来ますが、協力する事を拒否した場合には処罰されます。

そして人権委員会に人権侵害と認定されると、当該行為をやめるよう「勧告」され、従わない場合には氏名等の個人情報を含む勧告内容が「公表」されてしまうのです。  このような法案は、言論を萎縮させる危険が極めて大きいと言わざるを得ません。

これが本当であれば、確かに恐ろしいことである。どこの誰だかよくわかりもしない「人権委員会」なるものがが、自分たちでルールを作り、そのルールに合わない者を、裁判所や警察の権力を越えた超法規的なやり方で、個人の財産を没収したり、拘束したりできるということになる。

読み進んでいくと、通常の裁判と異なり申し開きの機会も与えられず、また違反と断じた経緯さえ公表されないという話だ。すべては密室で決められ、密室の中から警察や裁判所よりも強い効力を持つ命令が発せされるということになる。


さらに、人権委員会が「人権侵害」と認め、その指示に従わない場合、個人情報を含む勧告内容が公表されてしまうとある。これで「人権擁護法案」とはいったいどういうことだろうか。法的手続きも得ず、5人が主観で「悪い」と断じたら、その者の名前を簡単に公表してしまう。それってものすごい人権侵害のような気がするのだが。


例えば、ある個人あるいは団体が「外国人参政権の付与に反対するサイト」を立ち上げ、その理由として外国人犯罪者の数値や率、推移を載せていたとしよう。それに対し「人権委員会」が、外国人に対する差別である、と断じれば、そのサイトを強制的に閉鎖させることができ、その人が使っていたパソコンを接収し、本人を拘束することができる、というのだ。裁判を経由するわけではないので申し開きをする機会も与えられない。「人権委員会」の一方的な独断で全てが決せされてしまうのだ。

しかも全体的に曖昧な定義がされているので、拡大解釈でどのようにも使うことができる。例えば政府批判や政治家の問題の暴露でも、委員会が「差別である」と決めれば公表を差し止めることができるのだ。

たとえばある団体の不正を暴露し、糾弾する発言をしたとしよう。それが人権委員会のメンバーの利権に絡む団体だった場合、その発言を「差別的だ」と判断し、発表を差し止めることができる。

もっと言えば、「人権擁護法案はおかしい」という運動を繰り広げる者に対して、「それは差別を助長する主張である」と委員会がレッテルを貼れば、その反対運動さえ潰すことができるのだ。人権保護法案廃案を掲げた立候補ができなくなる可能性が高い。

そうなれば確かに極端な言論弾圧であり、一種の治安維持法と言えなくもないだろう。


差別がイカンというのはわかる。しかしだからといって、超法規的なやり方でそれを取り締まるようなことをしてもよいものだろうか。悪いものなら悪いで、きちんと裁判を経て、皆が納得いく方法で裁くべきではないのか。確かにネット上には流言蜚語や差別的な発言が飛び交っている。しかしそれにしてもこの法案が当該サイトの言うとおりのものであれば、常軌を逸しているとしか思えない。

と、まあ反対サイトと一部のニュースを読んだだけなので、まだ具体的な話のほどはよくわからないが、それにしてもキナ臭い話である。

追記

法案通ったら、こういう法案に否定的な意見も迫害されてしまうのかもしれない。ブログなんて書いてられなくなっちゃうよ。