コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

うしおととら - 20巻まで読破

うしおととら (20) (少年サンデーコミックス)
うしおととら」、買い取った20巻までを読破した。いやはや面白い。テンポといい、勢いといい、これぞ少年漫画!という感じだ。これで初単行本なのだから藤田和日郎ってのは本当に凄いな。「からくりサーカス」も面白いが、やはり私は「うしとら」の方が好きだなぁ。妖(ばけもの)がそれぞれ特徴的だし、物語も一個一個がすごく立っている。

あとポーズなんかが凄くカッコイイ。ああこういうの見ると気持ちいいだろうな、という表現がズバリ。潮の髪がざっしゅっと伸びるところとか、日崎御門が結界を作るところとか、コテコテなんだけど気持ちいい。ドカーン、バキーン、バリバリッとまさにこれぞ少年漫画*1

しかし記憶にあるよりも残酷でエグい描写が多いということにも気付いた。簡単に人が死んでいくし、その死に様も異様。それをありありと描いている。エグさで言えば「多重人格探偵サイコ」にも匹敵するかもしれない。そういえば藤田和日郎ってそういう漫画家だったなぁと思い出す。「からくり」になってからはそういう残酷な描写が減っているからちょっと忘れてた。

しかしこれ、サンデーでやってて本当によかったと思う。これがジャンプなら、途中でヘンなトーナメントが入ったり、3対3バトルなんてわけのわからないことになったりしてオカシナことになっていたことだろう。そういう脱線はせず、常に潮ととらを中心に据え、ひとつひとつの事件を大切に描いていくからこそ面白く、そして深い話になっていると思う。登場キャラは多いが、みな個性的で、イベントがしっかりとしているのではっきりと脳裏に残る。話にからむキャラの大半が女性で、みな潮にどこかで惚れてるというのはまあご愛嬌ってことで。

全33巻ということで、あと13冊買わなければならない。中古で買うか、新品で買うか。面白い漫画なので新品を買って作者に印税入るようにしたいけど、量が多いのでちょっとキツい。悩むところだが、とにかく続きが読みたい。


余談だが、この人のギャグ部分を見てると吉田聡を思い出す。テンポとか、絵の感じとか、「てひょろ〜ん」「ぽむ゜っ」てな感じの擬音とか。

*1:我ながらなんてアホっぽい表現なんだ・・・。でもそういう楽しみ方のできる漫画だと思う。