コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

腰振る車

朝、ココアを入れようと台所に立ち、ふと外を見ると雪が降っていた。降っているだけではない。駐車場にも車にもほんのりと積もっている。

「ああ、やっと積もったなぁ」

などと風情のあることを言っている場合ではない。私の車はスノータイヤを履いていない。冬の間はいつもスノータイヤを履いている相方の車を使っていた。しかし相方の車は今はない。一昨日から、相方は実家に年始の里帰りをしていたのだ。

本格的に雪が積もってしまうと、本当に外に出ることができなくなる。しかも昨日、ストーブの灯油が切れてしまっていた。歩いて灯油を買いに行くわけにもいくまい。私は寝癖を治す暇もなく、空のポリタンクを持って家を飛び出した。

駐車場の雪は5センチくらい積もっている。道路上はそれほどでもないが、しかし地面が露出しているとはいえない程度に雪がある。私は恐る恐るスノータイヤを履いていない車を走らせ、近くのガソリンスタンドで灯油を詰めてもらった。

ついでに食料品も買出ししておかねばなるまい。へたをすると数日間、家に缶詰にされてしまうのだ。ということで近所のスーパーへ行った。

問題はその帰りに起きた。行きはそれほど苦労もせず、時速40キロくらいだがまっすぐ走れていた。しかしスーパーを出てからは、車がまっすぐ走ってくれない。腰を振ってすぐスピンしようとする。タイヤに圧雪でもくっついているのか・・・それにしても酷い。

どうにか車の少ない道にまで入り、とろとろと時速5キロくらいで進む。それでもまっすぐ進まない。挙句の果てに道路の真ん中で軽くスピンして道路に垂直になって止まる。いったいどういうことなのか。私は雪をナメ過ぎていたと痛感した。

対向車が来るたびに車を止め、後続の車を先に行かせ、何度も半スピンを繰り返しながら、どうにかこうにか家にまでたどり着いた。その時である、私は己の大いなる失態に気づいた。


サイドブレーキ上げっぱなしじゃん・・・。


なるほど、後ろタイヤがロックされていれば、当然まっすぐは進まないし、スピンもするはずだ。阿呆である。しかもなんだか焦げ臭い。最悪である。

みなさんも、雪道でサイドブレーキを上げっぱなしで走らないよう気をつけましょう。ってそんな阿呆はそうそういないか・・・。ともかく事故らないでよかった。