コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

最後の大和撫子

緒川たまきのまたたび紀行―ブルガリア篇
大和撫子という言葉は既に褒め言葉ではないのかもしれない。それでも、この言葉はまだ価値を持っていると思う。おとなしくて前に出ない、という意味ではなく、落ち着きかつ雅やかな女性という意味において。

テレビを見ていても姦しい女優やアイドルが多い中で、この人だけは大和撫子と呼ぶにふさわしい、と思う人物がいる。今の私と同じくらいの年代の女優の中でただ一人、「〜かしら」という言葉遣いをして嫌味のない人。それは緒川たまき、である。穏やかな所作、物静かな口調、理知的な雰囲気、カメラ撮影が好きで猫好き。物を見る目と、感じる心、そして語る言葉を持っているように見受けられる。顔も少々うりざね型でそういう意味でも大和撫子と言えるか。

芸能人の趣味があまり一致しない相方とも、緒川たまきに関しては意見がほぼ合致している。「たまき」というのを子の名前候補にしていたほどだ。

しかし最近、テレビ等ではあまり見かけなくなってしまったのが残念だ。以前は「ソリトン」「日曜美術館」「デジスタ」など、NHKの番組でよく見かけたのだが、最近はレギュラーもなくなってしまったのではないだろうか。


実は緒川たまき、まだ若い頃に「ナチュラル・ウーマン」という映画で裸体を披露している。映画の中では普段の印象とまるで違い、性格のきつい、性に貪欲なキャラクターを演じていた。裸体どころか、女性相手のからみシーンまで演じてしまっている。それを見てもなお、私の中での緒川たまきのイメージが揺るがなかったのは不思議だ。

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