コトバノウタカタ

よしなしごとをつらつらとつづるばしょ。

新鳥取市

本日、11月1日を持って、鳥取市は周辺9町村を抱き込んだ新・鳥取市となった。おそろしく巨大な土地に、山陰唯一という20万人の人口。山陰最大の都市といえば聞こえはいいが、実際には国内有数の低人口密度の市となるだろう。その鳥取市が今日から始動した。

合併によって合理化が進むというのはわからないでもない。しかし果たして本当にそれで経費削減になるのかどうかは少々疑問だ。合理化といっても公務員のリストラはない。市内に図書館などの同じような公共施設がたくさんできることになるが、それらを廃止するというわけでもない。そんなことで本当に合理化などができるのだろうか。

また市職員となった人たちの一部は、いままでの何倍もの距離を通勤しなければならない。その通勤の経費は当然市の財政から捻出される。広い土地に散らばる旧役場に市の管理システムが分散し、そこを行き来しなければならないというケースも多々あるだろう。そういう「無駄」は増えてしまうような気がする。そのあたりをうまくヤリクリしなければ、土地が広がり人口が増えただけで、財政難が進行するだけになってしまいかねない。


ま、合併の是非はいまはまだわからない。ひょっとしたらすごくうまくいくかもしれないし、あまり厳しいことも言うまい。うまくやってくれることを祈っている。ただ感情的には、自分の生まれた町が消えてしまったというのは少し寂しい。私の生まれた鳥取市の周辺にあった町は、このたびの併合で消滅してしまったのだ。本籍地の住所も変わった。実質的には何も変わることはないとはいえ、肩書きが変わってしまったのだ。そこはもうかつて知ったる私の故郷ではなくなってしまったような気さえする。


今日、市内に研修に出かけていたので、久々に昼間の鳥取市内を歩いてみた。肩書きは変わっても、田舎の県庁所在地は相変わらずの面構えをしていた。